ビットコイン(BTC)価格が一時的な下落を見せる中、市場ではテクニカル分析に基づく短期的な上昇シナリオに注目が集まっている。直近の価格動向を踏まえ、投資家の間では再び強気ムードが広がりつつあり、特にチャートパターンや価格サイクル分析といったテクニカル手法を根拠としたポジティブな見通しが目立っている。
逆三尊の出現と短期サイクル転換の可能性
暗号資産(仮想通貨)インフルエンサーとして知られるBob Loukas氏は5日、公式Xを通じてビットコインの価格サイクルに関する分析を共有した。同氏は、ビットコインはすでに5月のサイクルで記録した最高値に到達しており、60日間のサイクルは終了したと指摘。通常、こうしたサイクルでは価格の再テストや安値更新が見られるが、同氏は「現在の相場は明らかに強気であるため、下落を期待するべきではない」と強気な目線を示した。
同氏は今後の価格予想として、8月後半にかけて価格が再び力強く上昇していくと強調。その後、9月にかけて週間サイクルで緩やかに下落していくことに期待したいと付け加えた。こうした動きが実現した場合、今後の価格上昇では、まず高値ゾーンである約12万ドルまでの回復が焦点となりそうだ。その後、史上最高値への挑戦にも注目が集まるだろう。
トレンド継続パターン出現、17万ドルまでの上昇も視野に
一方、マクロストラテジストのGert van Lagen氏は、ビットコインの上昇基調を裏付けるテクニカルパターンの出現を強調している。同氏は5日、自身の公式X上で「過去2日間のビットコインチャートにおいて、逆ヘッドアンドショルダーパターンが形成されている」と指摘。すでにネックラインの突破とリターンムーブが完了していることから、短期的な価格上昇への準備が整っているとの見解を示した。
テクニカル的な側面を踏まえ、同氏は短期的な価格ターゲットとして17万ドルという強気な目標を共有している。これは単なる感覚的な予測ではなく、チャート分析に基づいた論理的なターゲット設定と言える。今後のビットコイン投資を進めていく投資家にとって重要な指針になり得るだろう。
市場全体としても、現在のビットコイン市場にはテクニカル的なサポートが存在しており、これまで慎重だった投資家層の中でも徐々に強気な姿勢を見せる動きが広がっている。ただし、価格が依然として高水準で推移していることも事実であり、利益確定による売り圧力が強まるリスクは常に意識されるべきだ。
テクニカル分析を軸とした上昇期待が高まる一方、市場は常に不確実性と隣り合わせの状況が続いている。今後のビットコイン価格の行方を占ううえでは、強気と警戒のバランスの見極めが投資家にとってより重要になるだろう。
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