NYSE上場マルティ、ビットコイン財務戦略発表──準備金の最大50%も視野に

JinaCoin編集部
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財務の多様化とリスクヘッジを狙い、仮想通貨を導入

ニューヨーク証券取引所上場の「Marti Technologies(マルティ・テクノロジーズ)」は29日、企業の準備金の一部を暗号資産(仮想通貨)で保有する財務戦略を開始すると発表した。同社はこの新たな戦略の一環として、まずは現金準備金の約20%をビットコインで保有する。将来的には、保有比率を最大で50%まで引き上げ、イーサリアムソラナなど他の仮想通貨も購入対象とする計画だ。

マルティは2018年に設立されたトルコのモビリティ企業であり、同国で広くサービスを展開している。タクシーや自動車、バイクによるライドシェアサービスに加え、電動スクーターやeバイク、eモペッドのシェアリング事業も手がける。

発表によれば、マルティはデジタル資産を長期的な価値の保存手段と見なしており、金融システム上のリスクに対するヘッジ手段としても活用する意図があるという。同社はこの戦略を通じて、伝統的な現金や有価証券と並んで、ビットコインなどの仮想通貨を企業財務に組み込むことで、資産の分散化を図るとしている。

CEOのオグズ・アルペル・オクテム氏は、「ビットコインや他の仮想通貨は、過去数年にわたり、法定通貨や金と並ぶ価値保存手段としての力を証明してきた。我々はインフレや通貨リスクの高まる現環境において、これは慎重かつ合理的な財務運営方針だと考えている」とコメントした。さらに同氏は、同社がこれらの資産を長期的に保有する方針であり、今後さらに保有量を増やしていく可能性も示唆した。

なお、同社は仮想通貨の保管について、規制当局の認可を受けた制度的なカストディアンを通じて行うとしており、セキュリティや報告体制を含む業界のベストプラクティスに則った運用を行うと強調している。また、この戦略は現在進行中の事業活動や今後の事業計画には影響しない見通しだとしている。

企業が資産の一部を仮想通貨で保有する動きは、2020年代以降少しずつ拡大してきた。マルティのように、新興市場を主戦場とする企業がこうした戦略を採用する背景には、自国通貨のボラティリティや金融不安への備えといった地域特有のリスク感応性がある。リスク分散の一環としての仮想通貨保有は、適切な管理体制のもとで行われる限り、財務の強靭性を高める一手となりうる。今後は他の企業の動向にも注視したい。

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