ビットコインは日本時間14日午前0時頃から下落の勢いを強め、14日午後1時頃に9万7,000ドルを割って直近安値を更新するなど、引き続き非常に厳しい展開。そんな中オンチェーンデータからは下落の主な要因や、弱気相場の最終段階を示す動きが確認できる。
ビットコイン底固めの最終段階か、スポット需要は高水準を維持
機関投資家向け分析プラットフォームのビットコイン・ベクターは14日、公式X(旧ツイッター)にて「現在ビットコインは底固めの最終段階に入っている」との見解を示した。
現在も売り圧力は高いものの、リスクオフシグナルは低リスクの水準を維持しており、比較的市場は安定。スポット市場も10月以降需要が高止まりしているため、高いボラティリティもトレンドを崩壊させるほどの影響力はないという。
今の状態は、8月から9月にかけて発生した調整期間に類似しており、このまま低リスクの水準をキープできれば、底固めは早期に終了する可能性がある。今後の展開は、週足の実体ベースで9万7,000ドル~9万8,500ドルのサポートレベルより上を維持できるかどうかにかかっていると、ビットコイン・ベクターは指摘している。
恐怖指数は4月以来の「極度の恐怖」
市場の過熱度を測るFear And Greed Index(恐怖・強欲指数)は13日、「極度の恐怖」を示す「15」に到達。

14日現在も「16」と、約7カ月ぶりの低い水準で推移している。「極度の恐怖」状態は、一般的に弱気相場のクライマックスが近づいているサインと捉えられることが多い。実際、3月に10の数値を記録した数日後には約1万ドルの反発があった。また4月にも指数が18まで下落した後、5月には当時の最高値(約11万2,000ドル付近)まで大きく相場が反転した。
ここでビットコインが底打ちしたと断定するのは早計だが、他のオンチェーンデータと照合すると、相場の転換期が迫っている可能性は十分に考えられる。
長期保有者の売却続く、需要低下で吸収できず
オンチェーン分析企業のクリプトクオントは14日、「ビットコイン長期保有者による激しい売り圧が相場を圧迫している」と指摘。
6カ月以上の長期保有者は、過去30日間で約81万5,000枚のビットコインを売却。これは2024年1月以来の高水準だ。2024年末にはさらに大規模な売却があったが、当時はETFへの資金流入も活発だったため、売り圧を吸収しながら価格を伸ばすだけの余力があったと考えられる。
しかし、現在は需要が縮小しており、長期保有者による売り圧が相場に重くのしかかっている状況だ。
オンチェーンデータからはポジティブなサインが確認できるものの、やはりマクロ環境の改善、機関投資家の需要回復はトレンド転換の必須条件と言える。直近では9万7,000ドル付近のサポートゾーンを防衛できるかどうかが、最大の焦点となりそうだ。
関連: ビットコインクジラが4万5千枚蓄積、2025年2番目の規模──バイナンスから史上最大級の流出も
関連: ビットコイン、安値圏を推移──43日間の米政府封鎖が終了も決済売りが先行




