13日夜から14日午前にかけた金融市場はリスクオフの動きが加速。一般的にリスク資産と呼ばれている株や暗号資産(仮想通貨)は大きく値を下げる展開となった。
ダウ平均株価は、前日終値(48,254.82ドル)から800ドル近く下落した47,457.22ドルで取引を終了。つられた日経平均株価も13時時点で50,349.45円と、前日終値(51,281,78円)から大きく値を落としている。
暗号資産に目を向けても、ビットコインは強いサポートして機能していた10万ドル台をあっさりと割り込んだ。現在も下落の勢いはとまらず、9万7,000ドル台を推移している。
FRBのタカ派的な発言がリスク回避を加速させた
リスク資産の売りが加速した原因は、投資家が米政府機関再開による経済指標の発表ラッシュに備える中で、連邦準備制度理事会(FRB)によるタカ派的な発言が相次いだことにある。
米セントルイス連銀のムサレム総裁は「インフレ率が当局目標の2%を上回る現状では、追加利下げには慎重に臨むべきだ」との見解を示した。
また、米クリーブランド連銀のハマック総裁は「インフレを一段と抑制するために連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を据え置くべきだ」と発言。米サンフランシスコ連銀のデーリー総裁も「12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で政策当局者が利下げを実施すべきかを判断するには、時期尚早だ」とダブリンで開かれたイベントで語った。
一般的に利下げは経済を活性化させるため、株や暗号資産などのリスク資産にとってはプラスに働く。マーケットは12月の利下げを期待していたようだが、FRBの据え置き発言を受けて、リスク資産を売却する動きが加速した形だ。
ビットコイン、次の節目は9万3,000ドル台か

ビットコインは今年6月22日に9万8,240ドルの安値を付けて以降、9万8,000ドル台は強いサポートラインとして機能していたが、本日の下落であっさりと割り込んだ。すぐに判断することはできないが、9万8,000ドルを維持していくようであれば、次の目安となるのは9万3,000ドル台となる。
12月のFOMCで利下げ見送りとなれば失望売りが広がるため、しばらくはFRBの発言には注意しておきたい。加えて、発表が遅れていた経済指標に一喜一憂する場面も予想されるため、ファンダメンタルズにはこれまで以上に警戒しながら取引にあたるべきだろう。
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