ビットコインは日本時間5日午後1時、12万5,000ドルを突破。小幅調整も底堅い動きを維持している。アルトコイン市場も基本上目線だが、ビットコインにはやや遅れをとっている印象。今週は非常に重要な指標が控えており、内容次第でさらなる上昇が期待される。
ビットコイン12万5,000ドル突破も週末は小幅調整

ビットコインは巨額の現物ETF流入や米政策金利引き下げへの期待、ドルへの不信感が追い風となり、一時12万5,000ドルを突破し過去最高値を更新。しかし先週を通して価格が右肩上がりだったこともあり、利益確定によって約2.5%の下落。買われすぎ感からの短期的な調整に入ったと見られる。
しかし10月は歴史的に見てもっとも暗号資産(仮想通貨)市場が強気な月ということもあり、買い支え圧力は依然強く底堅い印象。目下は直近の下値を結んだラインが意識されそうだ。
イーサリアムは底堅いがXRPは軟調 今後の展開に注意


ビットコインとは対照的に、アルトコイン市場は明暗が分かれている。イーサリアムは現在の調整局面でも直近高値から3%弱の小幅下落で、かつ上値を切り上げているのに対し、XRPは約5%と下落幅が大きく、上値も徐々に切り下げ続けていて、明らかに弱気な値動きだ。
イーサリアムは「BitMine(ビットマイン)」や「Bit Digital(ビット・デジタル)」などの買い支えが期待できるのに対し、XRPは現物ETFもまだ出そろっていない状態という、条件の違いも影響していると考えられる。
また、XRPは直近安値の2.9ドル付近を下回ると失望売りによる急落も考えられるので、ここからの展開を注意深く見守っていこう。

BTCドミナンスは上昇傾向が続いており、依然としてビットコインに資金が流入しやすい地合いだ。ただ過去の動きを見ると、ドミナンスがある程度上昇した後には、その反動として急な調整が入り、アルトコインへ資金が流入する傾向が見られる。短期的な急騰がいつ発生してもおかしくない状況とも言える。
ビットコイン長期保有者が急増 供給減で強気継続を示唆
オンチェーン分析企業「CryptoQuant(クリプトクオント)」は3日、ビットコインの長期保有者が急増しているデータを示した。長期保有者の増加は、投資家の中に上昇余地を見込む動きが広がっていることを示唆している。
また同社が公開している「世界の主要暗号資産取引所が保有するビットコインの総残高」も歴史的な低水準に到達。供給量が激減することで売り圧低下につながり、強気相場継続の後押しになる。

オンチェーンデータからは、過熱感を示す明確な兆候は確認されていない。中長期的には引き続き上値を目指す展開が予想される。
中長期的には堅調維持 政府閉鎖と地政学リスク懸念も
今後の見通しとして、資金流入が加速しているビットコインに関しては、一時的な調整があるとしても主要なサポートラインで底堅く反発する展開が予想される。ただ、12万ドルの節目を明確に割った際は、目線変更を検討する必要があるだろう。
イーサリアムは引き続き底堅い流れが続きそうだが、アルト市場全体としては、BTCドミナンスが上昇していることもあり、銘柄によってネガティブなファンダをきっかけに急落する可能性もある。
今後大きく相場を動かす材料として注目されているのは、日本時間の9日午前3時ころ予定されているFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨の発表だ。追加利下げの可能性を示唆する内容が示されれば市場はさらなる熱気に包まれるだろう。また、米政府閉鎖により延期されているADP雇用統計が予告なく発表された場合、内容によっては上下どちらにも相場が大きく動く可能性がある点には要注意だ。
一方、政府閉鎖が長期化した場合、雇用統計の発表もさらに延期され、FOMCの結果に悪影響がでる可能性も。その場合も相場に混乱が生じるかもしれない。
また、最近ではイスラエル・イラン間の緊張が再び高まっており、大きな動きがあった時に相場が急変するケースも考えられる。強気トレンドの時ほどマイナス材料による暴落リスクは高まるので、世界情勢の動向にも注意が必要だ。
今週は米政府閉鎖により指標発表の遅延や地政学リスクなど、不確実性の高まりからやや不安定な値動きになるかもしれないが、基本ビットコインに関しては12万ドルを明確に下回るまで上目線を維持。オンチェーンデータもトレンド長期化を示唆しているので、一時的な下落はエントリーチャンスと捉えられる。アルトコインも上目線ではあるが、ビットコインへの資金流出傾向があるため、マイナス材料による急落に注意しよう。
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