米国の著名投資家ロバート・キヨサキ氏が8月31日、自身の公式Xで「EUROPE is TOAST(ヨーロッパは崩壊寸前)」と題した投稿を行い、世界経済の先行きに対する危機感を示した。こうした背景から同氏は、従来の安全資産とされてきた国債や債券ではなく、ビットコイン(BTC)をはじめとした代替資産に投資すべきだとの主張を強めている。
債務危機の時代、ビットコインが救世主になるか?
キヨサキ氏はフランスやドイツ、イギリスといった欧州主要国の経済状況を厳しく批判している。フランスについては「バスティーユ・デーの反乱」を例に挙げ、政府への不満が増幅する中で財政破綻が現実味を帯びていると指摘。ドイツに対しては、環境政策「グリーン・ニューディール」によるエネルギーコスト高騰が、製造業における国際的な競争力を奪っていると警鐘を鳴らした。
こうした背景からキヨサキ氏が懸念するのは、債券市場の不安定性だ。同氏は欧州債券が24%、英国債が32%も下落している事実を挙げ、これらの国の返済能力に対する信頼性が失われていることを示唆した。さらに同氏は、米国が史上最大の債務国となり、米国債が2020年以降13%も下落している点を指摘。多くの金融アドバイザーが依然として「60/40ポートフォリオ」(株式60%、債券40%)を推奨していることに疑問を呈している。
世界的な経済危機が懸念される中、同氏はビットコイン、そして金や銀といった代替資産を保有すべきだと強く推奨している。特にビットコインは「中央集権的な管理から独立した資産」として、近年では投資家だけでなく、各国企業が財務資産という位置付けで保有するまでになった。政府や金融システムが不安定な状況下でも価値を保つことができる「安全資産」としての考え方が急速に世界中に拡散した証拠と言えるだろう。
今や日本や中国が米国債を売却し、金や銀を購入しているとキヨサキ氏は指摘する。こうした各国の動きと並行して、個人投資家にも代替資産を重視すべきだというメッセージが込められている。
キヨサキ氏の投稿は、伝統的な資産を過信する私たちへの強いメッセージだ。今後は投機目線だけでなく、自身の資産を守る最後の砦としてビットコイン保有を考える層が増えるかもしれない。従来金融への信頼性が崩壊した世界でビットコインが救世主となれるのか、その行方に投資家からの視線が集まる。
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