暗号資産(仮想通貨)取引所「BitMEX(ビットメックス)」の共同創設者であるアーサー・ヘイズ氏が最高投資責任者を務める「Maelstrom(メイルストロム)」は23日、ビットコインコア貢献者であるストラトスファー氏に、1年間のビットコイン開発助成金を授与したと発表した。
助成金でP2Pプライバシーや検証改善へ
ストラトスファー氏は、過去4年間にわたりビットコインコアの開発に貢献してきた実績を持ち、特にP2Pネットワークトラフィックを暗号化する提案(BIP 324)への貢献などで知られている。
今回の助成金を受け、同氏は主に以下の分野に取り組む予定だ。
- P2Pネットワークのプライバシー向上
- ブロック検証の改善
- サイレントペイメントアドレスのためのDLEQ証明:ウォレットがアドレスを正しく生成したという保証を得られるようにする技術。
ストラトスファー氏は助成金の授与に際し、「ビットコインが安全なグローバルマネーとして機能するためには、プロトコルレイヤーでのプライバシーが不可欠だ。メイルストロムの助成金プログラムが、この取り組みを続けることを可能にしてくれたことに深く感謝している」とコメントした。
ヘイズ氏は今回の決定について、「我々は世界中のビットコイン開発者を支援しており、ストラトスファー氏はアジア太平洋地域を拠点としている。国際的なビットコイン開発者グループを持つことは、エコシステムが国固有のリスクに影響されないことを保証する」と述べ、地理的な分散の重要性について言及した。
メイルストロムは、ビットコインが他の仮想通貨プロジェクトと異なり、資金調達のためのオファリング(トークン販売)を行わなかった点に言及。その上で、仮想通貨エコシステム全体が依存するビットコインの技術開発に貢献するため、助成金プログラムを通じてオープンソース開発者を継続的に支援していく方針を明らかにしている。
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