米国の著名投資家ロバート・キヨサキ氏は9日、市場の「クラッシュが来る」とXで警告しつつ、「なぜ私は売らずに買うのか」として、自身は資産を買い増していると明言した。
米ドルの大量印刷がビットコインや金の価格を押し上げると主張
キヨサキ氏は、市場の暴落を予測しつつも、自身が保有する主要資産の強気な価格目標を提示した。
まず金(ゴールド)については、「私の金の目標価格は2万7,000ドル(415万円)だ」とし、この価格は「友人のジム・リカーズ氏から得たもの」だと明かした。ジム・リカーズ氏は、米国の著名な経済学者・地政学者である。
また、銀(シルバー)については、「2026年に100ドル(約1万5,383円)」と予測している。
同氏は、1971年から「金を買っている」と述べた上で、同年に行われたニクソンによる金本位制停止を「ニクソンはグレシャムの法則を破った」と指摘。グレシャムの法則は、日本では「悪貨は良貨を駆逐する」という表現で知られており、価値の低い通貨が流通すると、価値の高い通貨が市場から姿を消す現象を指す。
ニクソンが金の裏付けをなくすという「違反行為」をしたせいで、悪貨(=米ドル)が世界にあふれて、それが現在も続いているとみなしているようだ。
暗号資産(仮想通貨)については、ビットコインの目標価格を「2026年に25万ドル(約3,846万円)」とした。
さらにイーサリアムについては、「60ドル(約9,230円)」という目標価格を提示している。
※キヨサキ氏は後述するとおりイーサリアム価格が上がると予測していることから、「60kドル(約923万円)」の誤記だと思われる。
イーサリアムについてキヨサキ氏は、「ステーブルコインのためのブロックチェーンであり、ネットワークの法則であるメトカーフの法則に従う」とコメント。メトカーフの法則とは、通信ネットワークの価値や影響力が、そのネットワークの利用者数の2乗に比例して増大するという概念である。キヨサキ氏は、ステーブルコインの基盤として利用されるイーサリアムのネットワーク価値が、この法則に従って今後さらに増大すると見ているようだ。
キヨサキ氏は、自身がこれらの「貨幣の法則」に従うのに対し、「残念ながら、米財務省と米連邦準備制度理事会(FRB)は法を破っている」と厳しく批判。「彼らは請求書を支払うために偽の金(米ドル)を印刷している」とし、米ドルの流通量増加が「良貨」である金、銀、ビットコイン、イーサリアムらの価格を押し上げるとの見解を示した。
同氏は「今日、米国は歴史上最大の債務国だ」と断じ、「貯蓄者は敗者だ」と強い言葉で警告している。キヨサキ氏はこれまでも金やビットコイン価格に関する大胆な予測を繰り返しており、その評価が分かれる人物であるため、今回の発言も大いに議論を巻き起こしそうだ。
関連:ロバート・キヨサキ氏、ビットコイン長期保有を推奨──欧州経済崩壊と債務危機を警告
関連:「ビットコインは“価格”より“量”が重要」 ロバート・キヨサキ氏が持論展開
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=153.83円)




