ノルウェーの暗号資産(仮想通貨)企業「K33 Research(K33リサーチ)」は7日、最新の市場レポートを公開し、「ビットコインの4年サイクルはすでに終焉を迎えた」との見解を示した。同社はこれまで有力視されてきた4年サイクルによる市場構造が、機関投資家の本格参入によって根本的に変化したと分析している。
長期上昇トレンド示唆も、短期的な反発リスクを警告
K33リサーチによれば、2017年や2021年に見られた強気相場は、当時まだ実現していなかった「機関投資家による採用」という期待に支えられていたという。しかし現在は、米国をはじめとする各国で暗号資産ETF(上場投資信託)が承認・上場し、運用が加速する中で、市場構造は個人主導から機関主導へ移行したと指摘。同社はこの状況を「夢が現実のものとなっている」と表現した。
また、同社は過去と異なる現在の市場動向として、ブラックロックのビットコインETF『IBIT』が約1,000億ドル(約15兆円)の運用資産を達成したことや、モルガン・スタンレーがアグレッシブ運用ポートフォリオに対し最大4%の暗号資産配分を推奨していることなどを挙げた。こうした動きが、かつての周期的な市場サイクルを崩しつつあると分析している。
現在市場は2022年の底値から約1,051日が経過しており、過去のピーク期(およそ1,060日前後)とほぼ一致するタイミングにある。仮に4年サイクルが有効であると市場の大多数が認識している場合、現在市場は一時的な調整が想定されそうな局面と言えそうだ。
しかし、市場構造と参加者の変化から「もはや過去のパターンに依存するのは誤りだ」とK33リサーチは断言。仮に一時的な調整局面が訪れたとしても、それは4年サイクルの再現ではなく、「買いの好機」と見るべきだと強調した。
その一方、短期的な反発リスクが間違いなく高まっていると同社は警告する。同社は過去1週間でETFやCME(シカゴマーカンタイル取引所)、および無期限先物市場を合わせて63,083 BTCが蓄積され、2025年で最大水準に達していることを強調。明確なマクロ経済イベントがない中でロングポジションが極端に偏っていると指摘したうえで、過去の傾向から見ても短期的な価格調整が起こりやすい環境にあると分析している。
短期的な調整リスクは考えられるものの、K33リサーチは機関投資家主導の長期トレンド継続を示唆している。同社の分析を踏まえ、これからの投資家には現在の構造的変化を織り込んだ、新たなリスク評価と取引戦略の構築が必要不可欠となりそうだ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=152.5円)