現在ビットコイン・主要アルトコインの上昇は一服しているが、一部銘柄は現物ETF上場通知掲載の報道を受けて力強い値動きを見せている。短期的に売り圧が発生しているものの、オンチェーンデータは楽観相場への転換を示唆しており、中期的には上目線継続と考えてよさそうだ。
ビットコイン、下落トレンド上抜け 11万2,000ドルがサポートに
ビットコインは日本時間27日16時に11万6,000ドルを突破し、非常に強い値動きを見せたがその後失速。やはり30日に予定されている米中首脳会談への期待買いが先行していたため、一時的な調整局面に入ったとみられる。ただ中期的には上目線に変わりはなく、押し目買いの好機ともいえる。

直近で意識されているのは11万4,000ドル付近だが、その価格帯を下抜けた場合は11万2,000ドル付近が有力なサポートとして機能しそうだ。
清算ヒートマップを見ても、11万2,000ドル付近に大規模な流動性クラスターが形成されており、サポートとして強く意識されていることが確認できる。ただ、強く意識されているラインだけに、下抜けた場合はロスカットやショートエントリー、失望売りが重なり価格が急落するリスクもある点に注意したい。

ETF上場通知サプライズで一部アルト銘柄は力強く上昇
主要アルトコインもビットコイン同様、一旦の調整局面に入っている。特にイーサリアムは1時間足レベルでダブルトップを形成しているため、短期的にはもう一段の下落に警戒が必要だ。

そんな中、ニューヨーク証券取引所(NYSE)が、複数のアルトコイン現物ETF(ソラナ・HBAR・ライトコイン)の上場通知を掲載。早ければ本日中に取引開始が開始される見通しだ。この報道を受け、ソラナはイーサリアムに比べ底堅く推移し、HBARは強いモメンタムを伴う上昇を見せている。米政府閉鎖中における現物ETF上場通知がサプライズとなり、大きな値動きにつながった。


今後も突然の上場通知により相場が急変する可能性があるため、NYSEの動向にも注目しておこう。
オンチェーンデータは楽観ムードへの転換を示唆
オンチェーン分析企業「CryptoQuant(クリプトクオント)」が27日、Xへの投稿で主要取引所へのステーブルコイン流入が急増していると指摘した。過去30日間の純増額は65億8,000万ドル(約1兆円)で、2月4日以来の高水準に達しているとのこと。ステーブルコイン流入増加は「買い意欲の高まり」を示すとされており、投資家が押し目買いの準備を整えていると分析している。
また同日の投稿で、ビットコインの短期・長期保有者の購入コストを実現価格が上回った点を指摘。多くの投資家が含み益を得ている状況から、市場が楽観ムードに転換した可能性があるとの見解を示した。
29日・30日のイベントを控え、市場は一旦様子見か
29日・30日には、マイクロソフト(ティッカー:MSFT)、メタ・プラットフォームズ(ティッカー:META)など、米主要ハイテク企業5社の決算発表、米連邦公開市場委員会(FOMC)による政策金利発表、そして米中首脳会談と、重要イベントが集中している。ヘッドラインひとつで相場が大きく動く可能性もあり、市場は一旦様子見モードに入る可能性も。
本日23時には米10月消費者信頼感指数の発表も予定されてはいるが、そこまで重視されている指標ではないため、よほどのサプライズがない限り市場への影響は限定的と見られる。また、米政府閉鎖が継続しているため、発表自体行われるかどうかも不透明な状況だ。
仮想通貨市場は中期的に上目線を維持しているが、重要イベントを控えているため本日中に大きな値動きがあるとは考えにくい。ビットコインが11万2,000ドル付近まで下落してきた場合は反発も予想されるが、リスクを極力避けたいならば29日・30日のイベントまで様子見するのもひとつの選択肢と言える。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=152.38円)




