ACSステーキングを活用した新たなコンテンツ提供モデルを導入
国内暗号資産(仮想通貨)ニュースメディア「JinaCoin(ジナコイン)」は5日、トークン活用型コンテンツ配信プロトコル「Access Protocol(アクセスプロトコル)」と戦略的パートナーシップを締結した。
アクセスプロトコルは、Solana(ソラナ)やStarkNet(スタークネット)上で展開されるWeb3型のコンテンツ配信プロトコル。今回の提携により、ジナコインのコンテンツがアクセスプロトコルのエコシステムに統合され、読者は同プロトコルのユーティリティトークン「ACS」をステーキングすることで、限定コンテンツや専門レポートにアクセスできるようになる。
従来の月額課金型のサブスクリプションとは異なり、ACSをステークすることで有料コンテンツの閲覧権を得るという新たなモデルが導入される。言い換えれば、「トークンを預ける形で有料会員のような権利を得る」しくみが日本のメディアにも本格的に導入されることになる。一方で、トークン価格の変動リスクやウォレット管理のハードルといった課題もあり、広く普及するかは今後の展開次第となる。
アクセスプロトコルはすでに台湾の「BlockTempo(ブロックテンポ)」や「AB Media(ABメディア)」と提携し、アジア市場での拡大を進めている。米国では「Solana Labs(ソラナ・ラボ)」や「The Block(ザ・ブロック)」などの企業と連携し、グローバルなコンテンツの提供モデルを推進している。日本市場では、2023年8月に「CT Analysis(CryptoTimes:クリプトタイムズ)」との統合を完了し、同メディアは1,200万円相当の助成金を受領。今回のジナコインとの提携も、日本国内での影響力をさらに強化する動きといえる。
国内では依然として「仮想通貨=あやしい」といった先入観が残り、NFTも含めて「本当に安全なのか?」という疑問を抱く人も少なくない。しかし、アクセスプロトコルのようなトークンステーキング型モデルが浸透すれば、従来の広告収益に頼らず、「読者と直に結びつく」新たなメディア運営の可能性が広がる。
アクセスプロトコルが各分野のメディアと連携し、Web3型ペイウォールがメディア界の新たな標準となるシナリオも夢物語ではない。新しいアイデアが次々と登場する仮想通貨業界ゆえに、この動きが定着するかは各メディアの取り組みと市場の動向にかかっている。