リスク選好の動きが継続──ドル円は151円後半、ゴールドは4,000ドル割れまで下落

永田ヒロタカ
10 Min Read
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マーケットは引き続きリスク選好の動きが優勢。米中貿易摩擦を巡る懸念が和らいだことや日経平均株価が初の5万円台に上伸したことも要因となり、安全資産である円やゴールドを売り、ドルや日米株を買う動きが進んだ。

ドル円は一時153円台に乗せる場面もあったが、28日14時時点では151.80円台まで下落。城内経済財政相が円安進行について「日本の実体経済に与える影響を引き続き注視していきたい」「すなわち短期間で乱高下することがないことが重要だ」という趣旨の発言をしており、一般論ではあるがやや円安にけん制が入った形だ。

加えて、本日午前に行われた日米首脳会談に目立った手がかりはなく、マーケットの目線は明日(29日)から始まる米連邦公開市場委員会(FOMC)、明後日(30日)の日銀金融政策決定会合と米中首脳会談を向いているようだ。

ドル円相場|城内経済財政相発言で151.80円まで下落

USDJPY価格チャート 出典:TradingView

日米首脳会談を無難にこなしたため、一服していた高市トレードの円売りが再開すると思われていたが、城内経済財政相の円安進行に対する発言で勢いを失った形だ。ただ明確に円安是正に向けた発言をしている訳ではないので、下落の影響は限定的と見られる。

テクニカル面では、今月10日に付けた153.27円前後の高値を目前に伸び悩んだため、区切りと見た利益確定の売りが入り、明日・明後日のイベントに向けた調整が行われているように感じる。

サポートラインとしては151.50円台、次点では151.20円台が機能してきそうだ。レジスタンスラインとしては上昇の起点となったボックス相場の高値、かつ高値圏推移中の安値である152.20~150.50円台が目安となるだろう。

ゴールド相場|リスクオンが加速して4,000ドル割れ

2025年10月28日のゴールド(金)の1時間足チャート
ゴールド価格チャート(対米ドル) 出典:TradingView

ゴールドは23日に付けた安値を更新。1トロイオンス=4,000ドルを割り込み、28日14時現在は3,970ドル台を推移している。米中貿易摩擦緩和の兆しや株価が好調なことが圧力となり、投資家がリスク資産への投資を活発化させていることが要因といえる。

テクニカル面では4,000ドル前後の攻防に注目したい。明日・明後日で行われる重要イベントまでは低調な動きが継続すると見られるが、今月10日に付けた3,940ドル台を明確に割り込んでくると、次のサポートラインとなる3,800ドル台も見えてくる。

ただし、何度も伝えているように本命は29日30日のイベントにある。短期的な仕掛けには反応せずにファンダメンタルズを重視して大局を見ていきたい。

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金融ジャンルを得意とするWebライター。投資歴は「FX10年」「株6年」「暗号資産3年」。テクニカルとファンダメンタルズの両面から相場を分析することで、中長期の安定したトレードが得意。保有資格:ファイナンシャルプランナー2級・AFP
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