USDC、MiCAで初の重要ステーブルコインに──EU内45銘柄で唯一

USDC、MiCAで初の重要ステーブルコインに──EU内45銘柄で唯一
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
JinaCoin編集部
4 Min Read
Highlights
  • 14日(欧州時間)、EBAがUSDCをMiCA上の重要な電子マネートークンに分類、EU内45銘柄で初
  • 11月12日から自己資本・準備資産・流動性などの直接監督がフランスACPRからEBAへ移管
  • MiCA第58条で準備資産・流動性・自己資本の規定が上乗せ、独立監査は分類決定日から6カ月ごと

欧州銀行監督機構(EBA)は14日(欧州時間)、米サークルの欧州法人が発行する米ドル連動型ステーブルコインUSDC(USDCUSDC)を、EUの暗号資産(仮想通貨)規制であるMiCA(暗号資産市場規則)に基づく重要な電子マネートークン(EMT)に分類したと発表した。EUでMiCAに基づき届け出られたEMTは45あり、重要と分類されたのはUSDCが初めて。USDCは11月12日から、EBAとフランスの健全性監督破綻処理機構(ACPR)による二重監督の対象となる。

USDCの監督、準備資産と自己資本はEBA・ガバナンスはフランスACPRが担当

MiCAでは、重要な資産参照型トークン(ART)の発行体はEBAが監督する一方、重要なEMTの発行体はEBAと各国当局の二重監督となる(第117条)。EBAによると、USDCの監督分野は次のように分かれる。

監督当局担当分野
EBA(11月12日から)自己資本、準備資産、流動性要件、再建・償還計画
ACPR(引き続き)ガバナンス、適格株主、適格性審査、外部委託、利益相反など
EBAの10月14日発表をもとにJinaCoin作成

EBAとACPRは、円滑な移行に向けて緊密に連携するとしている。

EBAは越境のステーブルコイン事業を監督するため、米ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)と覚書を結んでいる。発表によると、覚書は両当局の協力と情報交換を促すものだ。

EBAは6月2日にも、NYDFSとMiCAに基づく覚書を結んだと公表している。その際、MiCA第126条が域外の監督当局との情報交換の取り決めを認めていると説明していた。

MiCAの重要指定の基準とUSDC発行体に加わる義務

重要指定の基準は、MiCA第43条1項が定める7項目だ。EBAは、このうち3項目以上を満たすEMTを重要と分類する。分類の際は決定案を発行体、本国の当局、欧州中央銀行(ECB)に通知し、通知から60営業日以内に最終決定を下す(第56条)。

  • 保有者数が1,000万を超える
  • 発行額、時価総額、準備資産のいずれかが50億ユーロ(約8,839億円)を超える
  • 1日平均の取引件数が250万件、取引額が5億ユーロ(約884億円)を超える
  • 発行体がデジタル市場法のゲートキーパーに指定されている
  • 発行体の活動の国際的な重要性(決済・送金での利用を含む)
  • トークンや発行体と金融システムとの相互連関性
  • 同じ発行体がほかのARTかEMTを発行し、暗号資産サービスも提供している

EBAは今回、USDCがどの基準を満たしたかを明らかにしていない。分類は毎年見直される。

同じEMTを複数の発行体が発行している場合、基準の判定は各発行体のデータを合算して行う(第56条)。

分類後に発行体へ上乗せされる義務は、第58条が定める。電子マネー機関が重要なEMTを発行する場合、EUの電子マネー指令の該当規定に代えて、MiCAがARTの発行体に課す規定の一部が適用される。主な内容は次のとおり。

項目根拠条文主な内容
準備資産第36条〜第38条準備資産の保有・分別管理、保管、投資に関する規定
報酬方針第45条1項リスク基準の緩和を促さない報酬方針を定める
保管第45条2項グループ外を含む複数の暗号資産サービス事業者がトークンを保管できるようにする
流動性第45条3項・4項流動性管理方針を定め、流動性ストレステストを定期的に行う
自己資本第35条2項・3項・5項、第45条5項電子マネー指令第5条に代えて適用。第45条5項は、第35条1項bの自己資本の比率を準備資産の平均額の3%とする規定
監査第58条1項準備資産の独立監査を、重要分類の決定日から6カ月ごとに行う
MiCA(規則(EU)2023/1114)の条文をもとにJinaCoin作成(10月15日確認)

第58条2項は、重要でないEMTの発行体にも、流動性リスクなどへの対応が必要な場合は、各国当局が同じ要件を課せると定めている。

EBA指定の対象はサークル欧州法人のUSDC、国内ではSBI VCトレードが取り扱い

EBAによると、USDCはEU域内ではサークルの欧州法人Circle Internet Financial Europe SAS、米国ではCircle Internet Financial, LLCが発行している。今回の分類の対象は、欧州法人が発行するUSDCだ。

欧州法人がMiCAに基づき公表しているUSDCのホワイトペーパーは、同社が発行するUSDCと米国法人が発行するUSDCは完全に代替可能だとしている。

国内では、SBI VCトレードが2025年3月4日、資金決済法上の電子決済手段等取引業者として国内で初めて登録を受けた(関東財務局長第00001号)。金融庁の登録一覧には、同社が取り扱う電子決済手段としてUSDCが記載されている。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ユーロ=176.77円)

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