SBIホールディングス(SBIHD)は14日、吉本興業ホールディングス(吉本興業HD)とエンターテインメント領域で戦略的業務提携を行うことで基本合意したと発表した。両社は合弁会社を設立し、SBIグループのセキュリティトークン(ST)基盤を使ったIP・コンテンツの資金調達手法づくりに取り組む。吉本興業HDは、SBIグループが組成する1,000億円規模のコンテンツファンドにも出資する。
SBIと吉本興業の合弁会社、セキュリティトークンで資金調達手法づくりへ
合弁会社は、吉本興業HDのIP資産・映像制作能力と、SBIグループの資本・金融テクノロジーを組み合わせる。世界市場向けのオリジナルIPを企画・開発し、投資も手がける。SBIグループのST基盤とオンチェーン金融のノウハウを使い、IP・コンテンツ領域の新たな資金調達手法をつくるとした。
合弁会社の出資比率と設立時期、STを使う具体的な仕組みは、発表文に記載がない。
2つ目の合意内容は「SBIネオコンテンツ投資事業有限責任組合」(通称:SBIネオコンテンツファンド)の活用である。1,000億円規模のファンドで、映像作品、興行・イベント、スポーツ、デジタルコンテンツなどを投資対象とする。吉本興業HDは同ファンドに出資するが、金額は示されていない。
このほか、SBIグループのアジア・中東などのネットワークを使った海外配信・イベント・グッズ展開と、地域の文化や観光資源を生かした海外向けコンテンツの企画も合意内容に含まれる。
吉本興業HDは1912年の創業で、約6,000名のタレント・アスリートのマネジメントを手がける。
STによるコンテンツへの資金供給、SBIはフジ・メディアHDとの協議でも検討
STを使ったコンテンツへの資金供給を、SBIグループが提携の検討項目に挙げたのは初めてではない。6月26日に公表したフジ・メディア・ホールディングス(フジ・メディアHD)との協議開始のお知らせでは、「2. 協議・検討中の提携内容」の(5)に、コンテンツ・IPのST化を含む新たな流通形態を掲げていた。
同文書は(5)の狙いとして、資金供給手段の多様化、ファン・投資家の参加機会の拡大、クリエイター・権利者への還元モデルの高度化を挙げた。(1)ではSBIネオコンテンツファンドへの出資可能性も検討対象としている。
ただし、出資の有無や金額などの詳細は、同文書の時点で「決定した事実はありません」とされていた。
SBIHD自身も3月、初のST社債「SBI START債」(発行総額100億円)を発行した。同債は大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)の私設取引システム(PTS)「START」で3月25日に売買が始まっている。
1,000億円規模のコンテンツファンドへの出資や出資の検討は、吉本興業HDのほかにも各社が公表している。各社の発表文で確認した内容は次のとおり。
| 発表日 | 企業 | ファンドへの関与 |
|---|---|---|
| 3月31日 | 東急不動産ホールディングスグループ | 計50億円を出資する予定。ファンドまたは協業事業へ50億円を追加出資する可能性 |
| 6月26日 | フジ・メディアHD | 出資の可能性を協議・検討(同日時点で未決定) |
| 7月29日 | GENDA | 有限責任組合員(LP)として3億円を出資する |
| 10月14日 | 吉本興業HD | 出資する(金額は未公表) |
発表によると、両社は今回の提携を通じて日本発のエンターテインメントIPの企画・開発と海外展開を進め、「世界に向けて新たなコンテンツと熱狂を届けること」を目指すとしている。
