デジタル金融サービスの「SoFi Technologies, Inc.(ソーファイ・テクノロジーズ)」は11日、全国的な銀行免許を保有する消費者向け銀行として米国で初めて、アプリ内で暗号資産(仮想通貨)の売買や保有が可能になる新サービス「SoFi Crypto」の提供を開始したことを発表した。
銀行の信頼性と暗号資産取引をワンストップで統合
SoFi Cryptoは、ビットコイン、イーサリアム、ソラナを含む数十種類の暗号資産の売買・保有に対応する。
アンソニー・ノトCEOは、「銀行業務と暗号資産が、信頼できる一つのプラットフォームで出会う極めて重要な瞬間だ」とコメント。ブロックチェーン技術が「金融のあらゆる側面を根本的に変えると信じており、安全で規制された方法を利用者に提供することが不可欠だ」とした。
この動きの背景には、暗号資産への関心の高まりがある。ソーファイのデータによると、暗号資産を保有するメンバーの60%が、主要な暗号資産取引所よりも「免許を持つ銀行」で暗号資産を売買・保有することを望んでいるという。
SoFi Cryptoは、「銀行レベルの安定性とセキュリティ」が大きな特徴とされている。利用者の資産は、高いレベルのセキュリティと厳格なコンプライアンス基準で構築されたプラットフォームで扱われ、米国の銀行規制当局(OCC:通貨監督庁)によって監督される仕組みだ。
また、利用者は、FDIC(連邦預金保険公社)によって保険がかけられている「SoFi Money」の当座預金口座や普通預金口座にある資金を、別の口座に移動することなく即座に暗号資産の購入に充てることができる。
ソーファイは、今回のローンチがブロックチェーン技術をエコシステム全体に組み込むための広範な戦略の始まりであるとした。
同社はすでに、より迅速で安価な国際送金を実現するためにブロックチェーンを活用しているという。将来的には、USDステーブルコインの導入や、暗号資産をレンディング(貸付)サービスに統合することも計画している。
同社の取り組みにより、米国では銀行が提供するプラットフォーム内で、自由に暗号資産を取引できる環境が整うことになる。暗号資産への投資が当たり前のもとして広まる大きな一歩と言えそうだ。
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