ビットコイン投資企業のメタプラネット(東証スタンダード:3350)は20日、海外機関投資家を対象とした第三者割当によりB種優先株式23,610,000株(1株900円)を発行し、総額212億4,900万円の資金調達を実施すると発表した。
調達資金はBTC購入・インカム事業・社債償還に充当予定
B種優先株式は、年4.9%の配当を受けられる一方で議決権はない。また、投資家は将来、普通株式への転換請求権や、一定条件下での金銭償還請求権を持つ。将来的なB種優先株式の上場(IPO)を見据え、市場での価格形成や投資家理解の向上を図る狙いもある。
調達資金のうち約150億円はビットコインの追加取得に充当し、2025年12月から2026年3月にかけて購入を進める計画だ。さらに約17億円をビットコイン・インカム事業の証拠金として用い、デリバティブ取引による収益基盤を拡充する。また、第19回普通社債の償還に約37.5億円を充てる計画だ。
同社はビットコイン関連デリバティブ取引で収益を積み上げており、2025年1〜9月の累積収益は約42億円となった。これにより優先株式の配当負担に対応しつつ、ビットコイン取得と運用による資金循環の強化を目指す。
同社は2024年4月以降、ビットコインを中長期的な価値保存手段と位置づけ、積極的に取得してきた。2025年11月19日時点の保有量は30,823BTC(時価約4,400億円)に達し、ビットコインを財務戦略の中心に据える姿勢を強めている。
今回のB種優先株式は、議決権なし・配当率年4.9%・転換請求権および金銭償還請求権を付与した設計で、普通株の希薄化を抑えつつビットコインを取得できる。このように、優先株を活用したビットコインの蓄積手法は、日本における新たな資金調達の選択肢を提示するものといえる。
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