イーサリアムのレイヤー2ネットワーク「MegaETH(メガイーサ)」は10日、暗号資産インフルエンサーIcoBeast氏に対する約100万ドル(約1億5,400万円)相当のトークン割当を取り消したと発表した。同氏がSNS上で保有予定トークンのヘッジ計画を公表したことが、トークンセールの規約違反に該当したためだ。
ヘッジ発言がコミュニティで物議
事の発端は11月9日、IcoBeast氏がX(旧Twitter)上で「MegaETHのICO割当が約100万ドルの価値になった。ヘッジ方法を考えないと」と投稿したことだった。

さらに同氏は「大手デスクから行使価格0.40ドルのプットオプションを購入し、2027年1月満期にする」と具体的なヘッジ戦略まで明かした。

この発言に対し、ICOプラットフォーム「Sonar」運営者のCobie氏が「エアドロップ農家を低価値と呼びながら、自分はトークン受領前に売却やプット購入を公言するのは矛盾している」と批判。コミュニティ内で賛否が分かれる議論となった。

1年ロックアップ規約に抵触、割当全額取り消し
MegaETHの最高戦略責任者(CSO)Namik Muduroglu氏は11月10日、X上で経緯を説明。「1年間トークンをロックした参加者は、転売やヘッジを行わない条件に同意している。OTC取引やヘッジ計画を公然と議論する者には、返金と割当ゼロで対応する」と表明した。

同氏はさらに「セールは28倍の応募があった。トークンを受け取る前から売却意図がある人に割り当てる意味はない。MegaETHと他の保有者にとって、長期保有を約束した人に配分する方が良い」と理由を述べた。
IcoBeast氏は11月10日、「アップデート:私の割当は取り消され、現在価値ゼロになった」と投稿し、事態を確認した。

10月のICOは5分で77億円調達、評価額1,540億円
MegaETHは10月27日にCobie氏が運営するプラットフォーム「Sonar」でICOを実施。5分で5,000万ドル(約77億円)を調達し、評価額10億ドル(約1,540億円)に達した。最終的に申込倍率は28倍に達し、暗号資産市場で大きな注目を集めていた。
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今回の割当取り消しについて、一部からは「分散化の理念に反する」との批判もあるが、「短期投機を排除し、長期コミュニティを優先する姿勢は正しい」との支持意見も多い。取り消されたトークンは、規約を遵守した他の参加者に再配分される予定だ。




