分散型取引所(DEX)「Hyperliquid(ハイパーリキッド)」は13日、主要な改善提案「HIP-3」がメインネットで有効化されたと発表した。これにより、同プラットフォームの基盤である「HyperCore」上において、誰でもパーミッションレス(許可不要)でパーペチュアル先物市場を立ち上げできるようになった。

パーペチュアル先物市場の自由な立ち上げが可能に
HIP-3は、ハイパーリキッドにおけるパーペチュアル先物市場の上場プロセスを完全に分散化することを目的とした改善提案だ。2025年5月にベータ版が公開されて以降、コミュニティ主導の議論や改良が続けられてきた。今回のメインネット移行は、ハイパーリキッドのDAO(分散型自律組織)化をさらに推し進める重要な節目となる。
新たに市場を立ち上げるユーザーは、市場の健全性と信頼性を維持するため、500,000 HYPEを事前にステーキングする必要がある。もし不正行為や規約違反が確認された場合には、ステークしたHYPEがコミュニティ投票を経てスラッシュ(削減)される可能性があると公式ドキュメントで説明されている。
今回のHIP-3の有効化は、ハイパーリキッドのウィークリーアップデートの一環として公表されたものだ。この発表では、現物取引での引用資産フィルターの追加や新たなハイパーパーペチュアル銘柄としてMET・MONなどの上場、さらに暗号資産(仮想通貨)ウォレット「MetaMask(メタマスク)」を通じたパーペチュアル取引の対応なども報告されている。
HIP-3をはじめとしたアップデートの発表もあり、HYPEのトークン価格は上昇。13日のHYPE価格は一時43.7ドルまで上昇し、前日比+5.46%で終値をつけた。なお、執筆時点では41.4ドルで推移しており、売りが優勢となっている。

今回のHIP-3本格実装によって、ハイパーリキッドは「取引する場所」から「市場を生み出す場所」へと進化した。誰もが金融市場を構築できる時代の到来を象徴するこの動きは、今後のDeFi(分散型金融)エコシステムにおける競争構造にも新たな影響を与えることになりそうだ。
関連:Hyperliquid、月間DEX取引高が過去最高の3,200億ドル──シェア約79%で首位
関連:Hyperliquidで再び注文遅延──29日の障害に続き、補填対応中に再発