ナスダック上場のFG Nexus Inc(FGネクサス、旧ファンダメンタル・グローバル・インク)は11日、世界最大のイーサリアム(ETH)保有企業の一つになることを目的として、ETH取得戦略を本格的に開始したと発表した。再保険、アセットマネジメント、マーチャントバンキング、マネージドサービスなど多様な事業を展開してきた同社は、前月の7月にFGネクサスに社名変更し、現在47,331 ETHを保有している。同社はイーサリアムの10%取得を目標としているが、この具体的な定義については詳細な説明は提供されていない。
ETH蓄積戦略の本格始動
FGネクサスは象徴的な意味を込めて、イーサリアムのジェネシスブロックが採掘された2015年7月30日からちょうど10年後に、最初の6,400 ETHを購入してETH取得戦略をスタートさせた。その後も継続的に購入を重ね、2025年8月10日午後6時30分(東部標準時)時点で、1ETHあたり4,228.40ドル(Bloomberg調べ)で47,331 ETHを保有している。
同社は既に2億ドルの私募資金調達による純収益をすべてETH購入に投入済みだが、さらに8月7日には米国証券取引委員会(SEC)に対し、最大50億ドル相当の証券発行を可能とする登録届出書(Form S-3)を提出した。この「シェルフ・レジストレーション」により、市場状況を見極めながら機動的な資金調達が可能となる。
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「イーサリアムは急速に世界のデジタル金融の基盤になりつつあります。私たちはETHを財務準備資産として世界的に採用されるよう推進していく計画です」と、FGネクサスのデジタルアセットCEOであるマヤ・ヴジノヴィッチ氏は述べている。「私たちはETHの10%保有を目標に、イーサリアムネットワークの重要なプレイヤーになることを計画しています。」
同社CEO兼会長のカイル・チェルミナーラ氏は、「FGネクサスはETHの蓄積への揺るぎない集中だけでなく、ETHイールドの向上と、デジタルアセットおよび金融サービス業界における私たちのチームの集合的な経験とノウハウの活用によって差別化を図ります」と表明している。
また、カストディサービスを提供するアンコレッジ・デジタルのCo-Founder兼CEOのネイサン・マッコーリー氏は、「FGネクサスは堅実な基盤の上で迅速に行動しており、ETHを単なる資産としてではなく、明日の金融システムの基盤として扱うという大胆で長期的な賭けです」とコメントしている。
同社は今後、ETHイールドを向上させるため、ステーキングやリステーキングを行い、トークン化されたRWA(実世界資産)やステーブルコインのイールドを含むイーサリアム基盤の金融への戦略的ゲートウェイとしての役割を果たしていく予定だ。
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