DeFi主要プラットフォームで利用率100%、バンクラン懸念──著名アナリストが警告

shoko-koyama
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Highlights
  • コンパウンド・リスタ・サイロ・モルフォ等で借り入れ利用率95-100%、プール資金枯渇で出金困難の恐れ
  • ストリームファイナンス9,300万ドル損失でxUSD 77%急落、2.8億ドル規模の連鎖リスク浮上
  • アーベ数百億ドル規模もループ取引極高、DeFi「レゴ構造」の脆弱性露呈

暗号資産コミュニティで影響力を持つ區塊先生(ブロック先生)氏は6日、DeFi(分散型金融)セクターに重大な流動性危機が迫っている可能性を警告した。同氏は自身のXアカウントで、主要借り入れプラットフォームの透明性不足と利用率の異常な上昇を指摘し、「バンクラン(取り付け騒ぎ)」のリスクを示唆している。

主要プラットフォームで利用率異常、ストリーム9,300万ドル損失が連鎖リスクに

同氏が懸念を示すのは、コンパウンド、リスタ、サイロ、モルフォ、エセナ・ラボ(USDe)、ストリームファイナンス(xUSD)など複数の主要プラットフォーム。これらのプロトコルで借り入れ資産の利用率が95%から100%に達しており、「プールに残る資金が枯渇しているため、出金や引き出しが困難になる可能性がある」と警告している。

特に深刻なのがストリームファイナンスの状況だ。同プラットフォームは4日、外部ファンドマネージャーが約9,300万ドル(約143億円)の損失を公表したことを発表し、すべての入出金を停止。これを受け、同社のステーブルコインxUSDは24時間で77%急落し、0.30ドルまで下落した。

オンチェーンデータの分析によると、ストリームファイナンス関連の借り入れやステーブルコインのエクスポージャーは約2億8,400万ドル(約437億円)に達しており、複数のプロトコルへ連鎖的に影響が波及する可能性が指摘されている。影響を受ける可能性があるプラットフォームには、コンパウンド、サイロ、オイラー、その他大手借り入れプラットフォームが含まれる。

區塊先生氏は、DeFiの「レゴブロック」型の相互依存構造が過度に複雑化していると指摘。「アーベなど大手プラットフォームでは、資産の循環利用によるレバレッジが極めて高い」と述べ、高利回り追求の前に構造的リスクを認識すべきだと警告している。

同氏は「もし引き出しができなくなったら、もし資産を回収できなくなったら、もし借り手が倒れたら、この相互連結構造全体がどのように崩壊するか自問すべきだ」と強調。DeFiの構造的脆弱性への警戒を呼びかけた。

関連:ステーブルコインUSDX、ディペッグ発生──18%下落し0.82ドルに

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=153.553円)

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仮想通貨歴5年。ニュース記者歴3年。常に仮想通貨ニュースを追う。情報ソースを追究し正しい情報をわかりやすく伝えることに努めている。仮想通貨は下落するたび買い増すタイプで、主にステーキングで資産運用中。
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