ギャラクシー・リサーチは19日に公表した「Crypto Leverage Q3 2025」レポートで、2025年第3四半期の暗号資産担保貸出(レンディング)市場が735.9億ドル(約11.6兆円)に達し、史上最高を記録したと発表した。前期比38.5%増の成長で、2021年第4四半期の693.7億ドルを上回り、過去最大規模を更新している。
DeFi貸出が市場を牽引
分散型金融(DeFi)プロトコルを通じた貸出総額は409.9億ドル(約6.5兆円)となり、前期比54.84%増と大幅な成長を記録した。DeFi貸出は市場全体の62.71%を占め、中央集権型金融(CeFi)の33.12%を大きく上回る。DeFi市場の拡大は、スマートコントラクトの透明性と分散性を求める機関投資家の資金流入が背景にあると見られる。

一方、CeFi貸出も243.7億ドル(約3.8兆円)まで成長し、前期比37.11%増を達成している。業界全体で暗号資産(仮想通貨)を担保とした資金需要が高まっていることを示す結果だ。
テザーがCeFi市場を支配
CeFi貸出ではステーブルコイン発行企業のテザーが146億ドル(約2.3兆円)を貸し出し、CeFi市場の59.91%を占める圧倒的なシェアを獲得した。続いてネクソが20.4億ドル(約3,210億円)、ギャラクシーが18億ドル(約2,833億円)で2位、3位を占めている。

ギャラクシーはレポート内で、デジタル・アセット・トレジャリー(DAT)債務の追跡も実施しており、Q3では120億ドル以上のDAT債務を確認。前期からの増加額は4.22億ドルにとどまり、企業による暗号資産担保借入の伸びは限定的だった。

先物市場も史上最高を記録
暗号資産先物の建玉(OI)も大幅に増加し、9月30日時点で1,877.9億ドル(約29.6兆円)に達した。前期比41.46%増で、10月6日には史上最高の2,203.7億ドル(約34.7兆円)を記録している。先物市場の拡大は、機関投資家によるヘッジ需要とレバレッジ取引の活発化を反映する。
ギャラクシー・リサーチのレポートは、暗号資産市場全体で担保貸出と先物取引が大幅に成長し、機関投資家の参加が加速していることを示した。




