オンチェーン分析プラットフォーム「Glassnode(グラスノード)」の共同創設者であるRafael氏は12日、自身のXで、前日に発生した暗号資産(仮想通貨)市場の大暴落について6つの分析を公開した。
ファンディングレートは歴史的低水準、精算ヒートマップは一掃
Rafael氏はポストにて、以下の分析をそれぞれ解説した。
1. アルトコインは近年最悪の下落を記録
ビットコイン(BTC)の下落率が比較的小さかったのに対し、アルトコイン騰落率の中央値は-20%に達した。つまり、アルトコインの半数がー20%以上の暴落を記録したことになる。これは過去数年間で最も急激な下落である。
2. ファンディングレートは2022年の弱気市場以来の低水準に
デリバティブ市場のセンチメントを示すファンディングレート(資金調達率)も、異常な数値を示した。アルトコインのファンディングレートは、中央値で-0.4%まで急落。これは2022年の弱気市場の底で見られた以来の低い水準である。
しかし、暴落の翌日にはプラス圏まで急速に回復しており、市場のポジションが極めて短時間で一掃され、リセットされたことを示している。
3. 史上最大の建玉(OI)消滅
今回の暴落は、先物市場の建玉(オープンインタレスト)においても歴史的な記録を残した。ビットコインだけで、全ての主要取引所で100億ドル(約1.5兆円)を超える建玉が消滅。これは、観測史上最大の建玉の減少幅とのことだ。
4. 観測史上最大の清算イベント
建玉の消滅は、大規模な強制ロスカットによって引き起こされた。データによると、今回の暴落は観測史上最大の清算イベントとなった。
5. 一掃された清算ヒートマップ
DEX(分散型取引所)の「Hyperliquid(ハイパーリキッド)」が提供するビットコインの清算ヒートマップは、この暴落によってほぼ一掃された。これは、クロス証拠金口座を利用していたトレーダーの連鎖的な清算や、パニックによるポジションの手仕舞いが殺到した結果だと考えられる。
6. 暴落前から増加していた大口のショートポジション
最後にRafael氏は、警戒すべきサインが暴落前から点灯していたことを指摘する。グラスノードが追跡するハイパーリキッドの大口トレーダーのポジション動向を見ると、10月6日の時点で、ネットショート(売り越し)ポジションが急激に増加していたのだ。
このショートポジションは暴落後に一部解消されたものの、依然として高い水準にあることから、同氏は「引き続き警戒が必要だ(Stay cautious)」と締めくくっている。
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