シティグループ、2026年に暗号資産カストディサービス開始を計画

JinaCoin編集部
10 Min Read

米大手金融機関「Citigroup(シティグループ)」が、2026年を目標に暗号資産(仮想通貨)のカストディ(保管)サービスを開始する計画であることがわかった。13日、米経済専門局「CNBC」が報じた。ウォール街の主要銀行による暗号資産分野への関与が広がる流れを示す一例といえる。

トランプ政権下で進む米国のデジタル資産規制が後押し

カストディとは、顧客の資産を安全に保管・管理するサービスを指す。暗号資産分野では、取引所が預かる形や、金融機関自身が自社内で保管する形など複数の方式がある。サイバー攻撃による資産流出などのリスクがある一方、銀行は厳格な監督体制と長年の資産管理経験を持つため、より安全性の高い選択肢として注目されている。

シティグループのサービス部門でグローバル・パートナーシップ&イノベーション責任者を務めるビスワルプ・チャタジー氏がCNBCの取材に語ったところによると、同行は過去2〜3年にわたり暗号資産カストディの開発を進めており、進展を見せているという。同氏は「さまざまな形での検討を進めており、今後数四半期のうちに資産運用会社などの顧客に提供できる信頼性の高いカストディ・ソリューションを市場に出せる見込みだ」と語った。

伝統的な金融機関は長年、ビットコインイーサリアムなどの暗号資産とは距離を置いてきた。しかし、トランプ政権下で制定された「GENIUS(ジーニアス)法」など新たな法整備により、米国ではデジタル資産を取り巻く規制環境が整いつつある。これを背景に、銀行業界では暗号資産関連サービスの提供を拡大する動きが見られる。

シティは現在、社内開発による技術的なカストディ・ソリューションと、外部企業との連携の両面を検討している段階にあるという。「特定の資産や顧客層に対しては完全に自社開発の仕組みを提供し、その他の資産にはサードパーティの軽量なソリューションを活用する可能性もある」とチャタジー氏は述べ、「現時点ではあらゆる選択肢を排除していない」とした。

さらに銀行各社は、米ドルなどの法定通貨に価値を連動させたステーブルコインにも注目している。チャタジー氏は、ステーブルコインは銀行や決済インフラが未発達な地域で特に有用であり、シティの顧客がそうした地域で取引を行う際の有効な手段となり得ると語った。同行はステーブルコイン分野の「初期段階」にあり、先週にはステーブルコイン基盤のインフラ企業「BVNK」への出資を行っている。

シティの参入は、暗号資産市場における制度的信頼を押し上げる重要な転換点である。銀行によるカストディ提供は、投資家保護と規制遵守の両立を図る上で不可欠であり、伝統金融と暗号資産をつなぐ橋渡し役となるだろう。今後は、各行の技術的な選択や法制度への対応が市場動向に影響を与える可能性もある。

関連:米金融当局、仮想通貨保管に共同声明──銀行の参入「排除せず」
関連:スウィフト、ブロックチェーン基盤導入へ──世界30銀行と連携、国際送金を即時化

仮想通貨の最新情報を逃さない!GoogleニュースでJinaCoinをフォロー!

JinaCoinメルマガ開始
Share This Article
JinaCoin編集部です。JinaCoinは、株式会社jaybeが運営する仮想通貨情報専門メディアです。 正確性・信頼性・独立性を担保するため編集ガイドラインに沿って、コンテンツ制作を行なっています。 一般社団法人 ブロックチェーン推進協会所属
コメントはまだありません

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA

厳選・注目記事

YouTube