Catalyst(カタリスト)は、「エルニーニョが来たらどう取引するか」といった投資のアイデアを文章で伝えるだけで、AIエージェントが取引戦略を組み立て、市場を監視して自動で売買するアプリです。
10月8日に米セコイア・キャピタルが主導するシードラウンドで3,000万ドル(約47億4,030万円)を調達し、現在はウェイトリストへの事前登録を受け付けています。この記事では、Catalystの特徴と仕組み、事前登録の方法、利用規約から分かる注意点を解説します。
Catalystは現在ウェイトリストへの事前登録を受付中
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Catalyst(カタリスト)とは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | Catalyst(カタリスト) |
| 運営会社 | Catos Labs, Inc.(利用規約の準拠法は米デラウェア州) |
| 創業 | 2025年 |
| サービスの種類 | AIエージェントによる取引戦略の作成・自動執行アプリ |
| 対応する市場 | 予測市場、暗号資産、株式、オプション、無期限先物など |
| ウォレット | Privyの自己管理型ウォレット |
| 資金調達 | シードラウンドで3,000万ドル(約47億4,030万円)、セコイア・キャピタルが主導 |
| 提供状況 | リサーチプレビュー(ウェイトリストから順次招待) |
| 公式サイト | https://catalyst.app/ |
| 公式X | https://x.com/CatalystLabsX |
| 公式Discord | https://discord.gg/usecatalyst |
Catalystは、個人投資家向けにAIの取引エージェントを提供するスタートアップです。利用者が自然な文章で相場観を伝えると、AIエージェントが関連するニュースや市場を調べ、取引戦略を提案します。
利用者が許可すれば、その戦略に沿って注文の発注まで自動で行います。公式Xでは、アイデアの調査、最適な戦略の構築、イベントの監視、取引の執行までを「自律的に」こなすと説明しています。
米Fortune誌によると、同社は2025年にジャスティン・ジェンCEOとディラン・イスカンダー氏が共同で創業しました。公式Xでは、スケールAIやパランティア、ハドソン・リバー・トレーディング(HRT)、シタデル、ジャンプの出身者がチームにいると紹介しています。
セコイア主導で3,000万ドルを調達
Catalystは10月8日、セコイア・キャピタルが主導するシードラウンドで3,000万ドルを調達したと発表しました。参加した投資家は、発表元によって挙げられている名前が一部異なります。

| 投資家 | Catalyst公式X | Wilson Sonsiniの発表 |
|---|---|---|
| セコイア・キャピタル(主導) | 〇 | 〇 |
| ジャンプ(Jump Trading) | 〇 | 〇 |
| ピークXVパートナーズ | 〇 | 〇 |
| ラックス・キャピタル | 〇 | 〇 |
| AntiFund | 〇 | 〇 |
| Selini Capital | 〇 | - |
| SF1 | 〇 | - |
| コインベース | - | 〇 |
| Premji Invest | - | 〇 |
米Fortune誌によると、セコイアのパートナーであるジョージ・ロブソン氏は、Catalystのエージェントを、金融の世界を進むための鎧のような存在だとたとえました。
同社によると、試験運用ではすでに数億ドル規模の取引量があり、ウェイトリストには数万人が登録しています。取引の執行ではTempo、資金の管理ではPrivyと連携しています。
Catalystの特徴と仕組み
文章で伝えたアイデアをAIが取引戦略にする
Catalystの中心となる機能は、文章で書いた投資のアイデアを取引戦略に変えることです。公式サイトでは「スーパーエルニーニョが来たら、どんな取引をするか」という問いかけを例に、AIが戦略を組み立てる様子を紹介しています。

デモでは、予測市場Polymarketの「今冬(2026〜27年)にスーパーエルニーニョは起きるか」という市場で「No」を買う注文が組まれていました。投入額250ドル、利益確定+35%、損切り-15%という条件も設定され、利用者が金額や条件を書き換えられるようになっています。
利用規約第1.1条によると、AIエージェントはニュースや予測市場、トークン、株式、コモディティなど第三者のデータを分析し、利用者が確認するための戦略案を作ります。
ワークフロー、通知、クイックトレード
Catalystでは、シグナルと条件、取引をつないだ「ワークフロー」を作れます。公式サイトの例は以下のとおりです。
| 機能 | 公式サイトの例 |
|---|---|
| ワークフロー | AP通信がAnthropicについて好意的に投稿したら買い、そうでなければ売る。CNNが反対の内容を投稿したらポジションを手放す。利益確定と損切りも設定する |
| 通知 | バロンドールのラミン・ヤマル選手の受賞オッズが65%を超えたら知らせる |
| クイックトレード | 市場を選び、数量を決めて、数回のクリックで注文を確認する |
公式Xで公開された画面では、「BTCが現在価格から5%下がったら、USDCをwBTCにスワップする」というワークフローが組まれていました。チェーンの選択欄には、イーサリアム、ポリゴン、ハイパーリキッド、ベース、アービトラム、ソラナが並んでいます。
市場の調査や資産の管理に使うウィジェットも用意されています。
- 予測市場:オッズ、トレーダーの動き、ポジション
- 株式:業績、決算、価格の推移
- オプション:契約、取引の動き、大口のオプションフロー
- 無期限先物:価格、資金調達率、建玉
- センチメント、SNSの投稿、ファンドの資金フロー、ニュース
- ポートフォリオ:保有資産、配分、取引履歴、成績
資産は自己管理型ウォレットで保管
Catalystでの取引には、Privyが提供する自己管理型のウォレットを使います。利用規約第1.3条では、Catalystは利用者のウォレットの資産を預からず、独自に引き出したり送金したりできないと定めています。
ウォレットには、法定通貨か暗号資産を入金して取引に使います。AIエージェントは、利用者が許可した範囲でだけウォレットの署名を代行する仕組みです。
アカウントは、ウォレットのアドレスを連携するか、メールアドレスとパスワードで作成できます(第2.1条)。
Catalystの事前登録(ウェイトリスト)の方法
- 公式サイトを開く
- 「Join waitlist」をクリック
- メールアドレスとXのアカウントを入力して登録
Catalystは招待制で順次利用者を受け入れており、現在はウェイトリストへの登録だけができます。登録に必要なのはメールアドレスだけで、Xのアカウントの入力は任意です。
まず、Catalystの公式サイトを開き、画面上部か中央の「Join waitlist」をクリックします。

登録フォームが開いたら、「Email」にメールアドレスを入力します。「Twitter handle」にはXのアカウント名を入力できますが、任意の項目です。
最後に「Join waitlist」を押せば登録は完了です。フォームには、Catalystへのアクセスを順番に開放していること、利用できる順番が来たらメールで知らせることが書かれています。
【規約から確認】Catalystを使う前の注意点
設定次第で、承認なしに取引が自動で実行される
米Fortune誌などは、Catalystでは最終的な取引に利用者の承認が必要だと報じています。一方で、利用規約は設定次第で承認を経ない自動の執行も認めています。
規約第1.3条によると、利用者は署名の権限をAIエージェントに委任でき、委任すると取引ごとの承認なしにAIが取引に署名して送信します。委任の範囲は、取引の種類や金額、送り先、使うスマートコントラクトなどで制限でき、範囲外の取引は実行されません。委任はいつでも取り消せます。
規約第1.2条では、実行された取引をCatalystが取り消すことはできないとしています。AIが意図どおりに動いていない場合は、利用者自身がエージェントの停止や権限の取り消しで損失を抑える必要があります。
AIの誤りによる損失は利用者の負担
規約第6.4条は、AIエージェントが指示を誤って解釈したり、誤った情報や古い情報を出力したりする可能性があると明記しています。第6.6条では、AIの誤り(ハルシネーション)を、利用者が引き受けるリスクの1つに挙げています。
AIは短時間に繰り返し取引を実行できるため、指示や権限の設定に誤りがあると、気づく前に大きな損失が出るおそれがあります。ネットワークの混雑やスリッページで、想定と違う価格で約定することもあります。
損失が出た場合のCatalystの責任は、利用者がCatalystに支払った額、支払いがなければ1,000ドルまでに限られます(第6.5条)。
米国の規制当局に登録しておらず、日本の利用者は自己責任
Catalystは、米証券取引委員会(SEC)の投資顧問業者にも、米商品先物取引委員会(CFTC)の商品投資顧問業者にも登録していません(第6.3条)。利用者は、登録業者の顧客が受けられる保護の対象外になります。
サービスは米国から運営されており、米国外からの利用者は現地の法令を守る責任を負います(第8.10条)。
制裁対象国の一覧に日本は含まれていませんが、VPNなどで所在地を偽る利用は禁じられています(第8.7条)。紛争はニューヨークでの英語による仲裁で解決することになっています(第7.2条)。
Catalystのよくある質問(FAQ)
ウェイトリストの登録に必要なのはメールアドレスだけで、居住国を入力する欄はありません。ただし、利用規約では米国外の利用者に現地の法令を守る責任があるとしています。
公式Xによると、現在はリサーチプレビューの段階です。ウェイトリストの登録者に順番に招待のメールを送っており、一般公開の時期は発表されていません。
預かりません。取引にはPrivyの自己管理型ウォレットを使い、Catalystはウォレットの資産を独自に引き出したり送金したりできないと利用規約に定めています。
利用規約では、AIエージェントの判断による損失について、Catalystは責任を負わないとしています。投資判断と取引の結果は利用者の責任です。
Catalystは公式Xで、取引のアイデアを返信で募集しており、Discordでも意見や要望を受け付けています。
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