一般ユーザーと機関投資家の双方を対象に展開
暗号資産(仮想通貨)取引所「Bybit(バイビット)」が、戦略的に支援するイーサリアムL2「Mantle(マントル)」 のネイティブトークン「MNT」に関する機能拡充を相次いで発表した。今回の施策は、個人投資家に対する割引購入や取引手数料の優遇策から、機関投資家向けの資本効率強化まで多岐にわたり、同社が幅広いユーザー層に向けた戦略を強化している。
個人投資家向け:割引購入でMNTを有利に取得
まず個人ユーザー向けには、「Bybit Advanced Earn」において新商品「MNT Discount Buy」をリリースした。この仕組みでは、運用期間の満了時にあらかじめ設定した価格で最大6.89%の割引購入が確定する。投資期間や購入量が増えるほど割引率が上昇する。
また、運用期間中にもMNT保有特典を受け取れる点が利用者にとっての魅力となる。市場価格の上昇局面では割引優位性がより高まるため、長期的な運用を意識するユーザーに適しているといえるだろう。
機関投資家向け:レバレッジ強化とローン期間延長
一方、機関投資家に向けては、MNTを担保とした2つの新しい統合機能が導入された。1つ目は、MNTを担保にすることで各プロダクトでの取引力や借入余力を拡大できるレバレッジ強化の仕組みだ。現物マージン取引では最大8倍、パーペチュアル取引では最大10倍、さらに機関投資家向けローンでも最大8倍のレバレッジが利用可能になった。
2つ目は「固定金利ローン期間の延長」で、担保に入れるMNTの数量に応じて最長4カ月までの長期借入が可能となり、安定した資本管理を実現する。これにより、戦略的な資金運用を求める機関投資家のニーズに対応する設計だ。
MNTで手数料割引&VIPランク判定を優遇
さらにバイビットは、取引手数料の支払いをMNTで相殺できる新機能を提供開始した。現物取引では最大25%、デリバティブ取引では最大10%の手数料割引を受けられる仕組みだ。また、MNTはVIPランク判定時に最大1.5倍の資産として評価されるため、従来より少ない保有量で上位ティアに到達しやすくなった。
MNTを軸にしたバイビットの施策は「トークンの価値を単なる取引対象から実用的な金融インフラへと進化させる試み」とも位置づけられるだろう。今後の成果は、制度設計がユーザーの実需とどこまで噛み合うかにかかっている。
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