日本時間13日午後、ドナルド・トランプ米大統領が政府閉鎖を終わらせる法案に署名し、市場心理は改善するとみられたものの、ビットコインは執筆時点で11万2,000ドル付近を推移し、上値の重たい値動き。しかし、オンチェーンデータを見ると、静かにトレンド転換に向けた環境整備が進んでいるようだ。
クジラの大規模な蓄積と最大級の取引所流出
オンチェーン分析企業クリプトクオントは12日、公式X(旧ツイッター)にて、ビットコインクジラの活発な動きについて言及した。
クジラのビットコイン蓄積量が先週だけで4万5,000枚増加。これは2025年3月以来、今年2番目の規模だ。
また、クジラの活発な蓄積と並行して、11月初旬に大手仮想通貨取引所バイナンスから、2025年で最大級となるビットコインの流出が発生した点を指摘。
ビットコインの取引所流出が急上昇する局面は、一般的に長期保有を目的とした個人ウォレットおよびカストディへの資産移動を意味する。まれに取引所内部のメンテナンスにより、システム上で「見かけ上」の大きな資金移動を示す場合もあるが、今回の大規模流出は大部分がユーザーによる引き出しとのこと。
取引所のビットコイン残高が減少する局面では、市場全体の売り圧が急速に低下し、供給量が限定的となる。歴史的にこのような動きは、市場心理改善後の力強い反発に先行しているというのがクリプトクオントの見解だ。
クジラによる大規模蓄積と、取引所からの資産引き上げの同時発生は極めて強気な組み合わせ。現在の軟調な価格推移の裏で、大きなトレンド転換の下地が静かに整えられている可能性がある。
ビットコインの流動性パターンが重要な転換を示唆
クリプトクオントが提供するオンチェーンデータ、Stablecoin Supply Ratio(ステーブルコイン供給比率)の数値が13を割り、2025年4月以来の低水準に達した

ステーブルコイン供給比率とは、取引所に保管されているビットコインの枚数と、ステーブルコインの取引所準備高から割り出される指標だ。現在の水準は取引所に保管されているビットコインの枚数が、ステーブルコイン残高と比較して極端に低下していることを示している。
過去ステーブルコイン供給比率が13付近に到達した局面では、多くのケースでビットコインが底値圏から大きな反発を見せており、市場センチメント転換に繋がるパターンとして注目されている。
以上のように、現在様々なオンチェーンデータがビットコインのトレンド転換を示唆しており、マクロ環境が整いさえすれば、いつでも反発できる準備が整っていると考えていいだろう
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