ビットコイン、強気サイクル終焉?複数の指標が示す兆候とは?

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Highlights
  • オンチェーン分析企業クリプトクオントが強気サイクル終焉の兆候を指摘、365日移動平均割れと2022年弱気相場開始時の類似性を警告
  • ブル指数は20/100の極端な弱気水準、MVRV比率は2023年10月以来の1.6まで低下し直近2回の調整局面を下回る
  • ビットコイン財務企業の株価下落と現物ETF需要減退で機関買いが弱まり、強気サイクル最終段階の特徴が鮮明に

ビットコインは日本時間20日早朝より小幅反発。90,000ドル台の回復に成功はしたもののオンチェーンデータからは「強気サイクル終了」の兆候が複数確認されており、全く油断ができない状況だ。

クリプトクオントが「強気サイクル終焉」に警鐘

オンチェーン分析企業のクリプトクオントは20日、公式Xにて中長期的なビットコイン市場の展望を共有した。

オンチェーンデータによると、先週時点でスポット需要の低迷、価格モメンタムのマイナス転換、ステーブルコイン供給伸び率の鈍化を背景に、Bull Score Index(ブル指数)は20/100という極端な弱気水準まで低下した。

さらに、ビットコイン価格が365日移動平均を明確に割り込んだ(デッドクロス)ことは、大きな警戒シグナルだと指摘。2022年、本格的な弱気相場が開始した際にも同様のデッドクロスが発生しているため、今回の下落トレンドがこれまでの調整局面より深刻な事態に発展する可能性を示唆する。

2024年から2025年にかけて大口の買い手として注目された「ビットコイン財務企業」は、株価下落で時価総額が保有BTC価値を下回り、株式売却による資金調達も困難なため、これまでのような積極的な購入が難しい状況だ。また、ビットコイン現物ETFの保有量は前年比でわずか28万3,000BTCの増加にとどまっており、上場以来最大の需要減を示している。

現在のビットコイン市場には需要鈍化、機関・企業の買い控え、365日移動平均割れという悪条件が重なっており、強気サイクルの最終段階に見られる特徴が鮮明になっている。

一部アナリストは市場構造の変化を理由に「2026年までサイクルが延長される」と主張しているが、クリプトクオントは「今回のサイクルにおける需要増加の波はほぼ過ぎ去った可能性が高い」との見解を示した。

MVRV比率が今回の強気サイクル最低水準へ

市場の過熱度合いを示すMVRV比率が、2023年10月以来の低水準まで低下。

MVRV比率
2023年10月以来の低水準に到達
出典: CryptoQuant(MVRV比率)

MVRV比率とは、ビットコインの時価総額を保有者の実現時価総額で割った値で、数字の大小は市場全体の含み益の大きさを表す。この値が2023年10月ぶりに1.6という低水準まで低下しており、直近2回発生した調整局面の水準も下回った。

これまでの調整局面では、ビットコイン価格はMVRV比率1.7付近から強い反発を見せていたが、今回は1.6到達後も買い圧力は弱く、市場の慎重姿勢を浮き彫りにしている。今後多少の反発を見せたとしても、含み益を圧迫された保有者の利益確定が殺到し、再び急落するリスクもあるため、慎重な対応が求められる。

現在ビットコインは小幅な反発を見せているものの、中長期的な展望は依然不透明。取引所におけるビットコイン準備高の低下など底打ちを示す兆候もいくつか見られるが、機関・財務企業による需要が回復するまでは、引き続きリスク管理は徹底したい。

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ブロックチェーン関連をメインに活動するウェブライター。家庭教師、高校教師を経て英会話スクールの運営に携わるが、2020年、コロナ禍をきっかけにライターに転身。これまでに十数件のメディア・仮想通貨系Youtubeチャンネルの運営に関わる。ファンダメンタル・テクニカル分析を得意とし、自身も仮想通貨トレードで資産運用中。特にブロックチェーンを活用した国際送金やトークン化事業(RWA)に強い関心を持つ。 保有資格:英検準1級
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