アーサー・ヘイズ氏がアドバイザーとして参画
DeFi(分散型金融)のインフラを提供する「Veda(ヴェーダ)」は23日、1,800万ドル(約26.2億円)の資金調達を実施したと発表した。
今回の資金調達ラウンドは、「CoinFund(コインファンド)」が主導し、「Coinbase Ventures(コインベース・ベンチャーズ)」、「Animoca Ventures(アニモカ・ベンチャーズ)」、「BitGo(ビットゴー)」、「GSR」といった著名なベンチャーキャピタルが参加。さらに、「BitMEX(ビットメックス)」の共同創設者であるアーサー・ヘイズ氏が率いるファミリーオフィスファンド「Maelstrom(マエルストロム)」も参加し、ヘイズ氏自身がヴェーダのアドバイザーに就任することも明らかになった。
2024年初頭にローンチしたヴェーダは、「DeFiは強力だが、異なるチェーンやプロトコルをまたいで機能する利回り商品を構築するのは、依然として非常に複雑である」という課題を掲げて、その解決を目指している。同社は、アプリケーション側が複雑な処理を意識することなく、DeFiの利回りをユーザーに提供できる標準化されたインフラを開発・提供する。
このソリューションは市場で高く評価され、ローンチからわずか4ヶ月でTVL(預かり資産総額)は10億ドルを突破。現在のTVLは35億ドルを超え、10万人以上の預金者を抱える規模にまで急成長を遂げている。
フィンテックアプリやウォレット、取引所への展開を目指す
マエルストロムはヴェーダへの投資を発表する中で、「利回り(を提供する仕組み)は、あらゆるチェーンやセクターにおいて、流動性を確保するための最も強力なメカニズムであり続けている。ヴェーダは、利回り商品の展開を単一のレイヤーに抽象化することで、DeFiのボールト(金庫)の標準となる態勢を整えている」と、その将来性を高く評価した。
アドバイザーへの就任が発表されたヘイズ氏も、マエルストロムの投稿を引用し、「Nom nom nom(もぐもぐ/おいしい!)」とコメント。ヘイズ氏独自の表現で、期待感を示した。
ヴェーダは今回の調達資金をもとに、既存のDeFiプロトコルとの統合に加え、今後はフィンテックアプリやウォレット、取引所といった、より広範な金融アプリの「DeFiエンジン」としての展開も視野に入れているという。「ユーザーにDeFiを意識させない」インフラを提供することで、数十億人規模のユーザーにDeFiの利回りを解放することが、同社の最終的な目標だ。
大規模な資金調達に加えてヘイズ氏の参画により、今後ヴェーダがどのように広まっていくのか注視したい。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=145.55円)