米Verb Technology、TON財務戦略を開始へ──社名をTON Strategyに変更予定

JinaCoin編集部
10 Min Read
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米ナスダック上場企業の「Verb Technology(ヴァーブ・テクノロジー)」は4日、総額約5億5,800万ドル(約820億円)にのぼる私募増資を実施し、「The Open Network(TON)」ブロックチェーンのネイティブトークン「Toncoin(トンコイン)」を財務準備資産とする戦略を発表した。同社はこの戦略の一環として、社名を「TON Strategy Co.(TONストラテジー、以下TSC)」へ変更する予定だ。

TON財団会長らが経営参画、ステーキングで収益化を図る

調達資金の大半はトンコインの取得に充てられ、同社は世界最大級のトンコイン保有企業の一つとなることが見込まれている。取得したトンコインはステーキングを通じ、安定した収益の確保につながる見込みだ。

TONブロックチェーンは、メッセージアプリ「Telegram(テレグラム)」との独占的提携を背景に急速にエコシステムを拡大している。テレグラムは、世界で10億人超の月間アクティブユーザーを擁するプラットフォームであり、トンコインはテレグラム内の広告や報酬機能で唯一の決済通貨として使われている。2025年第2四半期には、米国内の8,700万人を対象にTON Wallet(トン・ウォレット)がテレグラムアプリ内に統合された。

新たな社名の下、TONストラテジーは豊富な経験を持つ経営陣を迎え、体制強化を図る。今回の戦略は、「Kingsway Capital(キングスウェイ・キャピタル)」とのパートナーシップに基づいて進められており、同社の創業者であり、「TON Foundation(TON財団)」の会長も務めるマヌエル・ストッツ氏が、TONストラテジーの会長に就任する予定だ。

CEOにはTON財団元上級顧問でモルガン・スタンレー出身のヴェロニカ・カプスティナ氏、CFOにはJPモルガンでブロックチェーン事業「Onyx(オニキス、現・Kinexys[キネクシス])」で事業開発責任者をしていたサラ・オルセン氏が就任する。

ストッツ氏は、「テレグラムは世界の暗号資産(仮想通貨)コミュニティの中心的存在であり、トンコインはその基盤となる通貨である。恒久資本を持つ企業構造は、長期的なトンコイン保有とステーキング収益の両面で非常に適している」と述べた。

仮想通貨を財務戦略に組み込む動きは増えているが、テレグラムという実利用の強いプラットフォームに基づくトンコインに着目したTSCの動きは先進的である。単なる保有にとどまらず、ステーキング収益を視野に入れた資産運用方針は、企業財務の新たな在り方を示唆している。今後の動向は、他の上場企業にとっても重要な示唆を与えることになるだろう。

関連:複数大手VC、レイヤー1「TON」に総額600億円を投資──15億人のテレグラムユーザーを取り込む
関連:TON財団とKingsway Capital、トンコインを財務資産として保有する公開会社設立を計画

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.08円)

仮想通貨の最新情報を逃さない!GoogleニュースでJinaCoinをフォロー!

Share This Article
JinaCoin編集部です。JinaCoinは、株式会社jaybeが運営する仮想通貨情報専門メディアです。 正確性・信頼性・独立性を担保するため編集ガイドラインに沿って、コンテンツ制作を行なっています。 一般社団法人 ブロックチェーン推進協会所属
コメントはまだありません

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA

厳選・注目記事

YouTube

あなたのプロジェクトを広めませんか?

JinaCoinでは、プレスリリースや記事広告、バナー広告など複数の広告を提供しています。詳しい内容は下記お問い合わせページよりご連絡ください。