米テクノロジー企業「Strategy(ストラテジー、旧マイクロストラテジー:MSTR)」は22日、9月15日から21日にかけて850 BTCを約9,970万ドル(約147億円)で追加購入したと発表した。これにより、同社のビットコイン保有総量は639,835 BTCに達し、評価額は約10.6兆円にのぼる(9月23日時点の市場価格ベース)。
含み益は3.6兆円、今後も株式売却を通じた購入余力あり
今回の購入価格は1 BTCあたり約117,344ドルで、これにより同社の平均取得価格は1 BTCあたり約73,971ドルとなった。今回の購入は、クラスA普通株式及び優先株(STRF)のATMプログラム(株式売却枠)による収入を原資としている。
具体的には、以下のような株式の売却が行われた。
- クラスA普通株式:約22万株(約8,060万ドル/約119億円)
- STRF:約17万株(約1,940万ドル/約28億円)
9月21日時点で、総額約7.5兆円相当の発行枠が以下のとおり残っており、今後も同様の手法でビットコインを追加購入する余力がある。
- クラスA普通株式:約160億ドル(約2.3兆円)
- STRK:約203億ドル(約3兆円)
- STRF:約17億ドル(約2,513億円)
- STRD:約41億ドル(約6,062億円)
- STRC:約42億ドル(約6,210億円)
ストラテジーによるビットコイン購入履歴をリアルタイムで追跡できる「saylortracker.com」によると、同社の含み益は約250億ドル(約3.6兆円)に達する。

ストラテジーのビットコイン追加購入は、長期的なビットコイン戦略を再確認させる動きである。株式売却を原資とする手法は資本市場の信頼を背景にし、調達余力も大きい。平均取得価格は7万ドル超であり、価格変動リスクを抱える。企業のバランスシートを通じたETF的存在としての役割が強まる一方、規制やマクロ環境次第で評価益が急速に変動する点に留意が必要である。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.8円、1 BTC=16,707,801円)