「MM++」戦略導入でDeFi連携を重視する方針に
EVM互換のレイヤー1ブロックチェーン「Sonic(ソニック)」は15日、大手マーケットメーカー「Wintermute(ウィンターミュート)」とのマーケットメイク(MM)契約を更新しない方針を発表した。
ソニックは、Fantom(ファントム)ブロックチェーンをリブランディングする形で開発されたプロジェクトとして知られる。高性能な処理能力やEVM互換、開発者への手数料還元制度に加え、強固なセキュリティ、サブセカンドでの取引確定、高速なブリッジ機能などを備え、イーサリアムエコシステムとの円滑な接続を前提に設計されている。
今回の契約変更は、ネイティブトークンである「S」の価格変動に関する市場観測への回答として、ソニックの戦略責任者であるassistant.sonic(アシスタント・ソニック)氏がX上で公表したものだ。
発表の発端は、市場分析アカウントIntel Scout(インテル・スカウト)氏による、「Sの価格が(3日間で)9%下落した」ことに関する分析ポストである。同氏はその理由として、ウィンターミュートがSを売却しており、保有量が1,300万枚から1,000万枚に減少したことを指摘した。
これに対しassistant.sonic氏は、「ウィンターミュートに対し、5年間専属で続けてきたMM契約を更新しない旨を24時間前に通知した」と説明。ウィンターミュートによるSの売却は、この通知に対する反応である可能性が高いとの見方を示した。契約にはウィンターミュートへの1,600万Sのトークン貸付が含まれており、契約終了に伴い、ウィンターミュートが貸付分を超える在庫を整理し、資金を返却するために売却を行っている可能性を示唆した。
assistant.sonic氏はさらに、ソニックラボが他のマーケットメイク企業と協議中であり、新しいパートナーには、従来の中央集権型取引所(CEX)での流動性提供に加えて、より広範なエコシステムへの貢献を求める「MM++」というアプローチを要求していると明らかにした。この「MM++」には、以下の要素が含まれるという。
- ソニックのDeFi(分散型金融)エコシステムへの積極的な参加
- ソニック上で成長を目指すアプリケーションとの連携
- グローバルなコミュニティイベントへの参加
- ソニックチームとのオープンかつ積極的なコミュニケーション
同氏は「CEXのみのサポートではもはや十分ではない」とし、エコシステム全体の成長に寄与するマーケットメーカーとの連携を重視する姿勢を表明している。
今回のウィンターミュートとの契約終了と新しいMM戦略への移行は、ファントムからのリブランディングを経て新たなステージを目指すソニックが、エコシステムの持続的な成長のために、より深くコミットするパートナーシップを模索していることの表れと言えるだろう。今後の新しいマーケットメーカーとの提携や、「MM++」戦略の具体的な展開が待たれる。
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