分散型金融(DeFi)の固定金利レンディングプロトコルを開発するSecured Finance AG(セキュアード・ファイナンス)は28日、日本円ステーブルコイン「JPYC」の取り扱い開始を発表した。
同社はJPYCエコシステムを活用した複数の新プロダクトを展開し、日本円市場の金利構造をオンチェーン上に再現する。世界中の投資家が日本円金利にアクセスできる分散型インフラの構築を目指す。
11月3日に固定金利レンディング開始
セキュアード・ファイナンスはJPYC建ての固定金利レンディング市場を提供する。貸し手は安定利回りを得られ、借り手は予測可能な金利で資金調達が可能となる。
2025年11月3日に初回板寄せを開始し、翌週にオープン価格決定後、取引を開始する予定だ。初期満期は2025年12月26日と2026年3月27日の2つで、以後は需要と満期到来に応じて四半期ごとに新市場を追加する。
初期段階では、ラップドビットコイン(WBTC)およびイーサリアム(ETH)を担保にJPYCを借り入れることが可能だ。今後は、RWA(実世界資産)トークンや利回り資産トークンも担保対象に拡張し、DeFiと実世界金融をつなぐ新たな信用市場を創出する。
また同社は、ヤーン・ファイナンスとの連携により、JPYC建てVault(v3対応)を現在開発中だ。固定金利オーダーブックへの自動マーケットメイキングやデルタニュートラル戦略などの分散型アルゴリズム運用を想定している。
JPYCレンディング市場の成熟に合わせ、セキュアード・ファイナンスはオンチェーン上で日本円金利のベンチマーク指標を開発・公表していく計画を持っている。
さらに同社は、コインベースが提唱するx402プロトコル(EIP-3009対応)を通じて、コードベースでのJPYC自動決済を実現する。これにより、オンラインサービスやAIエージェントが、安全かつ即時にJPYCを用いた取引を実行できるようになる。
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