東証スタンダード市場に上場し、ビットコイン財務戦略を掲げる「株式会社メタプラネット」(証券コード:3350)は10日、海外募集による新株式発行で、約2,041億円を調達すると発表した。
調達資金でビットコイン追加購入と収益事業を強化
メタプラネットは10日午前3時15分に開示した情報で、海外募集による新株式発行により、3億8,500万株の新株式を1株あたり533.39円で発行することを決定したと発表した。決定された価格は、9日終値の614円から9.93%割り引かれた価格だ。
これにより、同社は手取概算額で約2,041億円という大規模な資金を調達する。プレスリリースによると、調達資金の具体的な使途は以下の通りだ。
- ビットコインの追加購入:約1,837億円
- ビットコイン・インカム事業:約204億円。保有するビットコインを活用したオプション取引などで収益を得る「ビットコイン・インカム事業」の強化に、2025年12月にかけて資金を充当する。
同社は、「資金調達を通じて今後もビットコインの保有を増やしていくことにより、日本円の価値崩壊から隔離され、インフレーションの影響を排除することで、企業価値の持続的な向上が達成できると信じている」としている。
しかし、この発表に対する市場の反応は厳しいものとなっている。

発表があった10日の東京株式市場で、同社の株価は一時、前日比8.3%安となる563円まで下落し、約4ヶ月ぶりの安値をつけた。大規模な新株発行による1株あたりの価値の希薄化などが懸念され、市場では売り材料として受け止められたと見られる。
メタプラネットは、相次ぐビットコイン購入戦略で市場の注目を集めており、6月19日には年初来最高値となる1,930円を記録しているものの、それ以降は価格を下げ続けてきた。国内におけるビットコイントレジャリー企業の先駆者ともいえる同社が、価格下落をどこで食い止めることができるのか、今後も市場からの注目を集めそうだ。
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