本記事では2025年1月に発行された日本円連動型ステーブルコイン「JPYR」について、基本情報から安全性、価格安定の仕組み、今後の展望までを徹底解説します。
- JPYRは、日本円と1:1の価値で連動する日本円連動型ステーブルコインで、価格の安定性を武器に、日常決済・国際送金・DeFi(分散型金融)領域での活用が期待される次世代のデジタル通貨です。
- JPYRはJPYR organizationによりFireBlocksプラットフォームでの発行・償還が管理されており、100%の準備金による裏付けと日次公開予定の資産記録によって透明性と信頼性を確保しつつ、マネーロンダリング対策やセキュリティ体制にも配慮された設計となっています。
- 現在は主にレンディングウォレットIZAKA-YAで取扱われており、同プラットフォーム上ではJPYRを活用したレンディング(資産運用)も可能です。今後はUniswapでの上場予定や利用シーンのさらなる拡大が見込まれています。
JPYRとは、特徴
発行主体 | JPYR organization |
---|---|
所在地 | 非公開 |
代表者 | 非公開 |
発行日 | 2025年1月26日 |
ペッグ対象 | 日本円(1JPYR = 1円) |
ステーブル設計 | 100%準備金による価値の裏付け |
想定ユースケース | 日常決済、国際送金、DeFiでの利用 |
公式サイト ホワイトペーパー | https://jpyr.org/ https://jpyr.org/whitepaper |
JPYRは2025年1月26日に発行された、日本円にペッグしたステーブルコインです。
Ethereum(ERC-20規格)上で発行されており、通貨の透明性を保ちつつ、従来の仮想通貨が持つ変動リスクを抑え、安定的な価値を日本円基準で提供し、日常決済や国際送金、DeFiプロジェクトなどでの活用を視野に入れて開発されています。
このJPYRの特徴を以下で解説します。また、本記事ではロードマップの詳細や2025年6月現在JPYRを購入できるIZAKA-YAでの購入方法を紹介します。
JPYRの安全性
JPYRの安全性については以下の3点から判断できます。
- 法的遵守状況
JPYRはあくまで日本円とペッグしている仮想通貨のため、発行にあたって日本の公共機関への登録や許可は必要ありません。そのため、現在は登録許可は取得していません。
ただし、AML(マネーロンダリング防止)やCFT(テロ資金供与対策)への配慮は重視されており、これらの管理と監査はJPYR organizationが行っています。 - セキュリティ対策
JPYRの発行と管理には、FireBlocksのセキュリティ基盤が採用されています。FireBlocksは暗号資産管理プラットフォームとして世界的に定評があり、安全性の高い資産管理が実現されています。 - 第三者による監査情報
2025年6月時点で、第三者機関による監査は行われていません。準備金に関する透明性は運営元が管理しており、日々の記録を一般公開予定です。
現状準備段階の部分もありますが、仮想通貨JPYRの管理およびセキュリティに関しては問題ないレベルの準備をした上での発行と判断できる内容です。
- MPC-CMP×ハードウェア分離
FireBlocksでは、マルチパーティ計算(MPC-CMP)を活用し、秘密鍵を複数のパーティに分散。さらに、Intel SGXやAWS Nitro Enclavesといったセキュアエンクレーブ技術を併用することで、秘密鍵を一箇所に集約せず、不正アクセスや漏洩リスクを大幅に低減しています。 - ポリシーエンジンによる管理と統制
企業ごとに定義された承認ルールやホワイトリスト制御を、APIベースで自動運用可能。ポリシーエンジンを通じて管理・統制を行うことで、不正送金や内部不正を未然に防止する仕組みが整っています。 - ネットワークによる送金安全性向上
Fireblocks Networkは、1,800以上の取引所や流動性プロバイダーと接続されており、安全なアドレス間での送金を実現。誤送金のリスクも抑えられており、実運用での信頼性が高い特徴があります。 - AML/KYT対応トランザクション監視
ChainalysisやEllipticといったブロックチェーン解析サービスと連携し「マネーロンダリング防止(AML)」や「制裁対象者のチェック(KYT)」をリアルタイムで実行。法令遵守とリスク対策の両立が可能です。 - 高い制度的信頼性
SOC 2 Type 2、ISO 27001・27017・27018認証取得、さらに筆ペンISO標準などを取得済みで、銀行並みのセキュリティ基準。大量送金でも保険適用なども準備済みです。
※FireBlocks公式サイトより抜粋、要約
ペッグ対象の準備金と価格安定メカニズム
JPYRのペッグはDeFiに預けられたEthereumの残高に常に一致するように管理されます。発行量の管理はFireBlocksを用いて行っており、発行の判断や備える価値の補充などはJPYR organizationの管理下で行われています。
現在の総資産と準備金の記録はUniswapにて上場・公開を予定しています。
JPYRの取扱取引所、利用方法
2025年6月現在JPYRは以下の2社で取り扱っています。
- IZAKA-YA
IZAKA-YAは最大年利15%で仮想通貨レンディングができるレンディングウォレットです。スワップ機能も実装されており、ワンストップで仮想通貨運用が可能です。 - CryptoPanda
CryptoPandaは分散型取引所と同じ形式(DAO)となっておりIZAKA-YAと接続することによって送金することなく「仮想通貨を日本円に交換して銀行へ出金」「仮想通貨を日本円で購入」が簡単に行えるプラットフォームです。
このほかにユニスワップでの取扱い予定となっています。また、今後利用場所は増加予定(具体的詳細は非公開)です。
利用方法としては、2025年6月現在はIZAKA-YAでのレンディングで利用可能です。
JPYRのロードマップ
JPYRのホワイトペーパーでは以下のロードマップとユースケースの想定・目標を公表しています。
- 今後の開発ロードマップ
- トランザクション速度とコスト効率の改善
- 他ブロックチェーンへの相互運用性の拡張
- 高度なセキュリティ機構の導入
- JPYRを活用した新しい金融商品の開発
- ユースケースの想定・目標
- デジタル決済:高速・低コストな日本円建て決済の普及
- DeFi活用:レンディング、ステーキング、流動性供給等
- 国際送金・貿易決済:クロスボーダーでの円ベース取引の実現
2025年6月現在、具体的な日程の記載はありませんが、ステーブルコインとしての安定性と革新性を両立させながら、着実に次のステップへと進んで行くと予想されます。
概要と定義
はじめに
このホワイトペーパーは、「JPYR」という日本円(JPY)に連動するステーブルコインの設計、技術仕様、運用、コンプライアンス、およびユースケースについて説明します。
概要
JPYRは「1 JPY = 1 JPYR」の価値を維持することを目指し、高い透明性を持つ管理体制を採用しています。このプロジェクトの主な目標は、デジタル決済、分散型金融(DeFi)、および国際送金を促進することです。
ステーブルコインの定義
ステーブルコインとは、法定通貨や貴金属などの安定資産に裏付けされた暗号資産であり、価格変動を最小限に抑え、日常取引やDeFiでの使用を目的としています。
ユースケース
JPYRは以下の用途での使用が想定されています:
- 国内および国際的な支払い:迅速で低コストのデジタル取引
- DeFiとの統合:レンディング、ステーキング、流動性提供
- 国際送金:貿易決済や送金の効率化
技術的概要
トランザクションの透明性
すべてのJPYRの取引はブロックチェーン上に記録され、ユーザーは取引履歴を容易に確認でき、不正行為の防止につながります。
仕様と担保管理
- ブロックチェーン基盤:JPYRはEthereum(ERC-20)上に発行され、将来的には複数のブロックチェーンネットワークへの対応が計画されています。
- スマートコントラクト:監査可能なスマートコントラクトを活用し、以下の機能を実現しています:
- 発行量の管理
- 送金・引出しの自動化
- コンプライアンス機能(不正防止、ブラックリスト管理など)
担保管理
JPYRの発行は、DeFiに預けられたEthereumの残高に常に一致するように管理されます。すべての担保資産は定期的に監査され、透明性を確保します。
エコシステムと将来展望
パートナーシップ
JPYRは、金融機関、テクノロジー企業、決済サービスプロバイダー、規制当局との強力なパートナーシップを構築し、金融エコシステム全体への導入と統合を目指します。
将来の展望
JPYRは、日本国内にとどまらず国際貿易の促進や世界的な金融包摂への貢献を通じて、デジタル経済の成長において重要な役割を果たすことを想定しています。
ロードマップ
開発計画
JPYRチームは以下を通じてインフラの継続的な強化を行います:
- トランザクション速度とコスト効率の最適化に向けた技術アップグレード
- 相互運用性の向上のための他ブロックチェーンネットワークへの拡張
- 不正行為の防止を目的とした高度なセキュリティ機構の導入
- JPYRを活用した新しい金融商品やサービスの開発
将来の見通し
JPYRは、安全性、効率性、コンプライアンスを兼ね備えたデジタル決済および分散型金融のエコシステムを推進することで、デジタル通貨の未来をリードする立場にあります。
結論
このホワイトペーパーでは、JPYRの目的、機能、利点、リスク管理対策、ユースケース、エコシステムの開発、そしてロードマップについて包括的に説明しました。JPYRは、日本円の安定性に裏付けられた、安全で透明性が高く広く受け入れられるデジタル通貨としての地位を確立することを目指しています。
お礼
革新を促進し普及を拡大することで、JPYRはデジタル金融と決済の未来を形作る上で、重要な役割を果たすことを目指します。
JPYRをIZAKA-YAで購入する方法
ここでは2025年6月現在JPYRを取り扱っている「レンディングウォレットIZAKA-YA」でのJPYR購入方法を紹介します。
現在IZAKA-YAでは「JPYRトークン100%祭り」を開催中です。
- 年利:100%
- レンディング条件:JPYRトークン30日レンディング
- 開催期間:2025年6月1日〜2025年6月30日
JPYRトークンの保有数を増やすチャンスですのでぜひこの機会に利用してみてください。
なお、IZAKA-YAの口座開設方法、レンディング方法は「IZAKA-YAの特徴・使い方」記事を参考にしてください。
IZAKA-YAへ仮想通貨を送金しJPYRを購入する方法
仮想通貨取引所から仮想通貨送金の場合、以下の点に注意して送金手続きをしてください。
仮想通貨送金の注意点
- IZAKA-YAで複数のチェーンに対応している通貨はチェーン選択を必ず確認
- アドレス、タグのコピペの徹底
- 初めての送金先の場合はテスト送金を行いアドレス間違いがないか確認する
IZAKA-YAへ入金(送金)

- マイページにログイン後、下にスクロールし入金する通貨を表示
- ②を左にスクロールし「入金」をタップ
- 入金アドレス、タグが表示されるのでコピペで送金元の入力欄に貼り付ける
※複数チェーン対応通貨の場合はチェーン種類も確認
送金元で出金額を入力し出金手続きを行えば完了です。
IZAKA-YAへ送金した通貨をJPYRにスワップ
STEP1:取引画面にアクセス

- ログイン後、右上の「三」をタップ
- 「変換」を選択
STEP2:スワップ

- タップして交換元の通貨を選ぶ
- 交換する数量を入力
- タップして交換先の通貨を選ぶ
- 「確認」するをタップ
※交換先の通貨の通貨量から交換元の通貨量の算出はできません。
以上の操作でスワップは完了です。
CryptoPandaを利用して日本円でJPYRを購入する方法
IZAKA-YAウォレットとCryptoPandaを連携すると、銀行振込で直接JPYRを購入することが可能です。
CryptoPandaを利用して日本円でJPYRを購入する方法は以下の手順です。
CryptoPanda口座開設準備
CryptoPandaを利用する場合は事前にCryptoPandaのアカウント登録が必要です。まだ、アカウント登録していない場合は、以下の準備をして登録を済ませてしまってください。
- IZAKA-YAに登録したメールアドレス
※パスワードは任意 - 本人確認書類
※IDカード、パスポート、居住許可証、運転免許証 - 出金先銀行情報
CryptoPandaの「身分証、マイセルフィー画像の認証は自動」で行われるため、いつでもOKですが、「銀行出金・仮想通貨の購入手続きはCryptoPanda営業時間(平日12時~18時)に処理」されるので、営業時間外に手続きをした場合は時間がかかってしまう点に注意してください。
JPYRの購入
STEP1:IZAKA-YA接続

- CryptoPandaにログイン後左下の「三」をタップ
- 「ウォレットに接続する」をタップ
- 「IZAKA-YA接続」をタップ

- 登録したアドレスにメールが送信されるので開き「接続する」をタップ
- 「接続完了」と表示されるので「ホームへ」をタップ
- IZAKA-YAウォレットと表示されており、金額が表示されているか確認
STEP2:仮想通貨購入手続き

- 左下の「三」をタップ
- 「交換」をタップ

- 「仮想通貨を購入する」を選択
- 購入する量を日本円単位で入力
- タップし購入したい通貨を選択
- 「通貨を購入する」をタップ
※購入したい仮想通貨量から購入金額を算出することはできません。

確認画面となるので「確認」をタップすると振込先が表示されるので、銀行から振込みます。
振込の際の注意点
- 振込人名(入金名義)は必ず振込先に記載されている名前で振り込んでください。振込人名が違う場合処理が遅れる場合があります。
- 午後6時以降の振り込みは翌日12時以降に処理されます。
よくある質問
ビットコインは価格変動が大きいのに対し、JPYRは日本円と連動したステーブルコインのため、ため、価格変動が少なく、価値が安定しているのが大きな違いです。
そのため、将来ビットコイン取引の決済や購入などで使用できる可能性があります。
2025年6月時点ではJPYRを日本円の代替として広く使用することはできません。
しかし、すでにUSDT決済や仮想通貨決済のサービスが徐々に拡大しており、将来的には利用シーンの拡充が期待されています。
基本的に1JPYR=1円の安定性を保つよう設計されていますが、市場の需給バランスの崩れや信頼性の低下により、一時的にペッグが外れるリスクはゼロではありません。
ただし、JPYRは仮想通貨担保型ステーブルコインのため、安定性は比較的高い分類に入り、デペッグの可能性は限りなく低いと推測できます。