API混雑による注文遅延、運営はシステム停止を否定
分散型取引所(DEX)「Hyperliquid(ハイパーリキッド)」で31日、再び注文遅延が発生した模様だ。同取引所では29日にもAPIサーバーの遅延による取引障害が起きたばかりで、短期間での度重なるシステム不安にユーザーの懸念が高まっている。
日本時間31日午前4時過ぎ、ハイパーリキッドは公式Discord(ディスコード)内で現在の状況についてアナウンスを行った。admin(管理者)ロールを持つxulian氏によると、「はっきりさせておくと、システム停止(outage)ではない。APIが混雑しているだけだ。注文は通常より時間はかかっているが、処理はされている」とのことで、完全なシステムダウンではないと説明している。

過去3日間のハイパーリキッドの状況
今回の事態に至るまで、ハイパーリキッドでは以下のような出来事が起きていた。
7月29日:APIサーバーの遅延が発生
最初の障害は、UTC29日14時10分から14時47分(日本時間同日23時10分~23時47分)にかけて発生した。公式ステータスページによると、この時間帯に「APIサーバーで注文の送信が遅延する問題」が起きたという。
原因については「トラフィックの大幅な急増」と説明しており、「ハッキングや不正利用はなかった」とされている。この問題はすでに修正され、再発防止策を講じると発表されていた。
7月30日:被害ユーザーへの補填方針を発表
29日の障害を受け、運営は公式テレグラムを通じて声明を発表。障害の原因がトラフィックの急増であったことを改めて説明し、「成長に伴う痛みは困難だが、それはハイパーリキッドの勢いの証でもある」と述べ、急成長が背景にあるとの認識を示した。
さらに、この障害によって「影響を受けたユーザーに対して、適切な返金方法が決定次第、数日中に最新情報を共有する」と発表。自動的に返金が行われるため、ユーザーが個別にチケットを発行する必要はないとした。
しかし、この補填方針が発表された矢先に、再び注文遅延が発生した形だ。急激な成長を遂げるハイパーリキッドだが、そのインフラがトラフィックに追いついていない現状が浮き彫りとなったと言えるだろう。安定した取引環境の提供が、今後の大きな課題となりそうだ。
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