東証グロース上場のIT企業のイオレ(2334)は29日、日本初のセルフカストディ方式でステーブルコインを利用できるクリプトクレジットカード「SlashCard(スラッシュカード)」を開発・提供するSlash Vision Pte. Ltd.(スラッシュ・ビジョン ※以下、スラッシュ)との資本業務提携を発表した。イオレは約2億400万円(1,361,817ドル)でスラッシュの普通株式8,082株を取得し、5.05%の株式を保有する予定。
暗号資産金融事業の中核戦略として提携
イオレは8月14日に公表した中期経営計画で暗号資産金融事業を中核に位置づけており、今回の提携はその戦略の一環となる。同社は「Neo Crypto Bank」構想の実現を目指し、暗号資産トレジャリーと暗号資産レンディングの2つの戦略的資金調達を推進している。
業務提携では、スラッシュのセルフカストディ型ウォレットと日本初のステーブルコイン対応クリプトクレジットカード機能を、イオレの暗号資産レンディング事業と有機的に連携させる。これにより新たなユーザー接点の獲得とサービス利用機会の拡大を図る。
具体的な取り組みとして、ユーザーのウォレット資産をイオレのレンディングサービスにスムーズに接続する仕組みの共同開発や、日本円からUSDCやJPYCなどのステーブルコインへの交換を実現するオン・オフランプ機能の構築を予定している。
スラッシュカードは利用者が自己保有の暗号資産やステーブルコインを決済に利用できる「次世代金融カード」として位置づけられ、今後はカード残高を利回り獲得にも活用できる仕組みを順次実装していく計画。両社は共同でロイヤリティ・プログラムも開発し、エコシステム全体でのユーザー体験向上を目指す。
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スラッシュは2023年7月設立で、資本金は1,886,611ドル。2025年8月末時点の連結純資産は3,162,667ドル、連結営業収益は7,755,801ドルとなっている。株式取得は10月31日に実行予定で、業務提携は10月中旬から開始される見通し。