分散型取引所(DEX)「edgeX(エッジエックス)」は22日、アクティブユーザー数10万人を突破した。急成長するパーペチュアルDEX(Perp DEX)市場で存在感を強める同プロジェクトは、2025年第4四半期に予定されるトークンジェネレーションイベント(TGE)を控え、注目度が一段と高まっている。
TGEを控え、報酬制度やエアドロップ期待が利用者流入を加速
急成長の背景には、低手数料や流動性の高さといったプロダクト面の強みもあるが、大きな要因は「エアドロップ期待」と言える。エッジエックスは独自トークンをまだ発行していないが、利用者に「edgeX Points」を付与する制度を設けている。取引量やポジション保有、紹介活動などによってポイントを獲得でき、これが将来的なトークン配布につながるのではないかという見方が広がっている。結果として、短期間で多数のユーザーや資産が流入した。
実際、2025年6月以降、預かり資産(TVL)は急増し約2億ドル(約295億円)規模に達した。その背景には、「エアドロップハンター」と呼ばれるユーザー層の参入がある。こうしたユーザーはプロジェクトの完成度そのものよりも、将来の報酬を狙って活動しており、エッジエックスの拡大を数字の上で押し上げる要因となった。

Perp DEX市場の現状:競争とチャンス
Perp DEX市場は2025年に急成長を遂げている。Q2の総取引高は過去最高の8,980億ドル(約132兆円)を記録したが、なかでも「Hyperliquid(ハイパーリキッド)」が圧倒的なシェアを握る。直近30日間で約3,000億ドル(約44兆円)の取引量を記録し、TVLは64億ドル(約9,468億円)超と群を抜いている。
また、新興勢力として存在感を増すのが「Aster(アスター)」だ。成長を加速させた最大の要因は世界最大の暗号資産(仮想通貨)取引所「Binance(バイナンス)」の創業者CZ氏の支援だ。CZがSNSでアスターを称賛したことや、「YZi Labs(旧Binance Labs)」からの支援が注目を集め、投資家の信頼感を押し上げた。これにより流動性とTVLが短期間で増加し、ハイパーリキッドの牙城を崩す可能性を持つ存在として市場に食い込んでいる。
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こうした競争環境において、エッジエックスが10万人を突破したことは注目に値する。ただし、その成長は「完成度の高さ」だけでなく「エアドロップ期待」に大きく依存している点を見逃すことはできない。2025年第4四半期に予定されるTGEは、エッジエックスが市場にどのように評価されるかを決定づける節目となるだろう。