仮想通貨は銃・たばこと同じ扱い──米大手銀の取引制限、OCCが実態公表

仮想通貨は銃・たばこと同じ扱い──米大手銀の取引制限、OCCが実態公表
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
ヤマダケイスケ
2 Min Read
Highlights
  • 14日、米OCCが大手銀行9行を調査し、過去に合法事業の取引制限につながる方針があったと発表
  • 暗号資産の発行・取引事業者なども制限対象、一部の銀行は業種別の制限を見直し
  • 規制当局による評判リスク評価は廃止されたが、銀行側への取引強制ではない

米通貨監督庁(OCC)は14日、OCCが監督する大手9行すべてに、政治的・宗教的な信条や合法的な事業活動を理由に金融サービスを制限するよう促すなどの方針があったと発表した。調査対象は2020年から2025年9月までの方針で、暗号資産(仮想通貨)関連事業も制限された業種に含まれている。

暗号資産の発行・取引事業者も制限対象に

OCCの調査対象となったのは以下の大手9行だ。

  • JPモルガン・チェース銀行
  • バンク・オブ・アメリカ
  • シティバンク
  • ウェルズ・ファーゴ銀行
  • USバンク
  • キャピタル・ワン
  • PNC銀行
  • TD銀行
  • BMO銀行

OCCは、銀行が顧客に金融サービスを提供するか判断する際、明確な基準のない評判リスクを考慮していたと指摘。業種別の制限は、北極圏の石油・ガス開発、石炭採掘、銃器の製造・販売、拘置施設、デジタル資産、たばこ製品の6分野に及んだ。

一方、暗号資産分野では複数の銀行が発行事業者や取引所、管理事業者などを制限。理由には金融犯罪への懸念が挙げられている。また同庁は、リスク管理に必要な専門知識や体制の不足を理由に、暗号資産関連の一部事業者にサービスを提供しない銀行もあったと報告した。

制限の実態を調べるため、同庁は監督下の金融機関に寄せられた約10万件の苦情を確認し、9行から約5万点、計約42万ページの資料を受け取ったとしている。ただし、口座閉鎖などの件数や顧客に生じた費用の総額は算定できなかったという。

銀行の方針見直しと監督規則の適用範囲

銀行による業種別制限の見直しと、当局による監督基準の変更は適用対象が異なる。OCCの調査結果と、2026年4月に定められた銀行監督の規則を整理すると、次のようになる。

区分変更・確認された点残る制約・未確認の点
銀行の業種別制限複数の銀行が暗号資産分野を含む制限を撤廃・緩和違法行為、制裁、資金洗浄などへの対策に基づく制限は残る
銀行の顧客対応9行すべてが公平なアクセスに関する方針を新設・改訂などの形で整備方針変更が実際の顧客対応に与えた効果は、OCCが現段階で評価できていない
規制当局の監督OCCと米連邦預金保険公社(FDIC)が、評判リスクを銀行監督の判断基準から除外規則は当局の行為を制約するもので、銀行に暗号資産企業との取引開始を義務付けない
OCCの最終報告書、OCC・FDICの最終規則をもとに作成

OCCは、一部の銀行が評判リスクをブランドへの影響などに言い換えている点にも言及。顧客との取引を断る判断に使う客観的な基準が示されていないケースもあり、方針の変更が名称だけにとどまらないか、引き続き確認が必要だとしている。

同庁はすでに、銀行の免許申請や一部の検査で不適切な取引拒否を考慮する方針を明確にし、苦情の受付・審査手続きを改善したという。それでも大手銀行の現行方針だけでは再発防止に十分とは判断しておらず、適用する監督・規制の枠組みをさらに見直す方針を示している。

関連:米OCCを地域銀行団体が提訴──仮想通貨企業13行超の免許承認めぐり

仮想通貨の最新情報を逃さない!GoogleニュースでJinaCoinをフォロー!

JinaCoinメルマガ開始
Share This Article
仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
コメントはまだありません

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA