ビットコイン・主要アルトコインは25日から2日間にわたり行われた米中閣僚協議の内容が好感され、重要な抵抗を上抜けて大きく上昇。今週は市場が注目するイベントが複数控えており、仮想通貨市場にとって大きな転換期となりそうだ。
ビットコイン、ダウントレンドを明確に上抜け──11万2,000ドルラインがサポートに転換

ビットコインは週末、約2週間にわたり上値を抑えていたダウントレンドラインを明確にブレイクしたことで市場に強気ムードが広がり、11万5,000ドルまで上昇。直近で意識されていた11万2,000ドル付近より上の価格を維持できればさらなる上昇も期待できる。
この上昇の要因としては、中国の何立峰(カ・リツホウ)副首相とアメリカのスコット・ベッセント財務長官およびジェイミーソン・グリア通商代表による、マレーシアでの会談後「中国がレアアースの輸出規制強化を延期する見込み」と報じられたことが大きく影響していると考えられる。

清算ヒートマップを見ると、ビットコインは大規模な流動性クラスターが形成されていた11万2,000ドル付近を明確に上抜け後、ショートポジションのロスカットを巻き込んで大きく上昇。その後、同価格帯に再びクラスターが形成されており、レジスタンスからサポートへの転換が確認できる。今後も11万2,000ドル付近の価格帯は強く意識される可能性が高いと分析される。
ビットコインドミナンス低下でアルトへの資金流入に期待

イーサリアムは、強く意識されていた4,000ドル付近の抵抗を明確に突破。主要アルトコインも軒並み強い値動きを見せており、全体的にビットコインよりモメンタムが強い印象だ。

しばらく上昇基調だったビットコインドミナンスもようやく下落傾向を見せ、上昇トレンドラインを下抜け。今後アルトコインへの資金流入加速が期待される。

清算ヒートマップを見ると、大規模な流動性クラスターが形成されていた4,000ドル付近を明確にブレイク後、モメンタムの加速が確認できる。現在の価格より上にクラスターが確認できないことから、市場の目線は上方向に傾いていると分析される。
オンチェーンデータは売り圧ピークを示唆
オンチェーン分析企業「グラスノード」社によると、ビットコインの売り圧・買い圧を示す指標「perpetual CVD(永久先物CVD)」の推移が10月10日以来初めて下落から平坦に。「過去数日間にわたる売り圧が収まった」との見解を示した。
またグラスノード社は、オプション取引の注文から割り出された「Options 25 Delta Skew」のデータから「積極的な売り圧がピークに達した」と分析し、トレンド転換の可能性があると指摘した。
30日の米中首脳会談への期待が先行──短期的な調整に注意
マレーシアで行われた米中閣僚協議がポジティブな内容に終わったことから、30日に韓国で予定されている、アメリカのドナルド・トランプ大統領と中国の習近平国家主席による会談への期待が高まり、リスクオンムードが拡大している。ただ、やや期待が先行している感も否めないため、会議前に一旦調整が入るというシナリオも考えておくべきだろう。
また、明日28日(日本時間23時)に、10月米消費者信頼感指数の発表が控えている。そこまで重要視されている指標ではないが、予想を大きく裏切る数値が出た場合、相場が敏感に反応する可能性もある。特に大きく下ぶれた場合は、利下げ観測の高まりと米景気減速懸念の綱引きにより、相場が乱高下する展開もあり得るので注意しておこう。
中期的にはビットコイン・主要アルトコイン共に、重要なサポートラインを維持している以上は上目線と考えていいだろう。ただ、週末に一方的な上昇が続いたため、短期的には調整が入ってもおかしくない局面といえる。リスクを最小限に抑えたいならば、各銘柄が再びサポートを試してくるまで様子見するのも一つの選択肢だ。
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