世界最大のスポーツ・エンターテインメント業界向けブロックチェーンプロバイダーであるChiliz(チリーズ)グループは16日、eスポーツ組織「OG Esports」の51%の支配株式を取得したと発表した。2015年に著名なDota 2プレイヤーのヨハン・”n0tail”・スンドシュタイン氏とセバスチャン・”Ceb”・デブス氏によって設立されたOGは、The International大会で史上初の連覇を達成したチームとして知られている。
eスポーツ初の1億ドル時価総額ファントークン
今回の買収の背景には、$OGファントークンが達成した市場実績がある。2020年にローンチされた$OGファントークンは、eスポーツ分野で初めて時価総額1億ドルに到達したファントークンとなった。このトークンは、ファンに独占的な投票権、VIP体験、商品、チームへの直接アクセスを提供し、1億ドル以上のデジタルファン経済圏を形成している。
買収の一環として、ザビエ・オズワルド氏がOGの新CEOに就任し、共同創設者のn0tail氏とCeb氏は、eスポーツとWeb3の融合における新たな戦略プロジェクトを主導する。同時に、Socios.comが$OGファントークンの独占ウォレット・エンゲージメントプラットフォームとなり、新しいファン経済の事例として機能する予定だ。
チリーズの戦略的ビジョン
チリーズの創設者兼CEOであるアレックス・ドレイファス氏は「OGは2020年以降、ファントークンが経済価値と意味のあるエンゲージメントを創造できることを実証してきた」と述べた。「1億ドルのファントークン経済圏を持つOGは、ファントークンをファン経済の中心に据える際の可能性を示す事例だ。この買収により、ファントークン2.0の次なる進化を披露できる」と説明している。
JinaCoinの過去の報道では、チリーズがWeb3AuthやFANRATINGとの連携により、ユーザーエクスペリエンスの向上とファンエンゲージメントの強化を推進していることが報じられており、今回のOG買収はこれらの取り組みの延長線上にある戦略的な動きと見られる。
グローバル展開基盤の強化
チリーズグループの80以上の主要スポーツ団体からなるネットワークにより、OGは新しい市場への展開や国際的なフットプリント構築が可能になる。グローバルグループの財務基盤に支えられることで、OGは長期的な安定性を確保し、選手、ファン、革新に焦点を当てた運営を継続できるとしている。
新CEO就任予定のザビエ・オズワルド氏は「チリーズを過半数パートナーとすることで、チームの規模拡大、グローバルコミュニティの成長、$OGファントークンを通じた新次元のエンゲージメントが可能になる」と述べている。
ファントークンの機能拡張
今回の買収により、$OGファントークンはチケット、商品、スタジアム内特典、デジタルコンテンツのブロックチェーンレイヤーとしての機能に加え、バイバック等のメカニズムを通じて現実世界の資産やクラブ収益を統合し、サポーターにより深い影響力と価値を提供する計画だ。
OGは設立以降、Counter-Strike、Honor of Kings、Mobile Legends: Bang Bangにも進出し、eスポーツで文化的意義のある組織の一つを築いてきた。同組織は「Dream Green」の精神のもと、eスポーツ業界で忠実なファンベースを育成してきた実績を持つ。
買収の詳細については今後数週間で追加発表される予定となっている。
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