ニューヨーク証券取引所上場の暗号資産(仮想通貨)取引所ブリッシュは19日、2025年第3四半期の決算を発表した。
純利益1,850万ドルを計上、前年の赤字から大幅改善
ブリッシュが発表した第3四半期(2025年9月30日締め)決算の主な財務ハイライトは以下の通り。
- 純利益:1,850万ドル(約29.1億円)。前年同期は6,730万ドル(約105億円)の損失。
- 調整後収益:7,650万ドル(約120億円)。前年同期の4,460万ドル(約70億円)から大幅に増加。
- 調整後EBITDA:2,860万ドル(約44.9億円)。前年同期は770万ドル(約12.1億円)。
「調整後EBITDA」とは、利払い・税引き・償却前利益から一時的な要因を除いたもので、企業の本業による「稼ぐ力」を示す指標だ。なお、「調整後純利益」は、暗号資産の評価損益などの変動要因を除外し、実質的な収益力を反映させた数値を指す。
取引所事業では、新たに暗号資産のオプション取引サービスを開始し、その取引高はすでに10億ドル(約1,571億円)を突破。また、2025年9月にはニューヨーク州金融サービス局からの承認を受け、米国での現物取引サービスも開始した。
注目すべきは、取引所機能以外の事業(サブスクリプション、サービス等)の急成長だ。
決算資料によると、レンディング・メディア事業・自己資産の運用などが含まれる「サブスクリプション・サービス等」の収益は4,930万ドル(約77.4億円)となり、前年同期の1,150万ドル(約18億円)から4倍以上に増加した。これは取引所関連収益(2,670万ドル)を大きく上回り、総収益の約64%を占める結果となっている。
トム・ファーリーCEOは声明で、現在の市場環境について「規制の明確化、機関投資家の採用、現実資産(RWA)のトークン化という、暗号資産の進化を推進するトレンドの交差点に位置している」と述べ、多角的なビジネスモデルによる持続的な成長に自信を示した。
ブリッシュは今年8月にニューヨーク証券取引所に上場を果たしたほか、上場企業によるビットコイン保有量で第6位(執筆時点)に位置するなど、業界における存在感は勢いを増している。今回の好調な決算を受け、この勢いはしばらく続きそうだ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.09円)




