米ビットコイン投資企業「Strategy(ストラテジー、旧マイクロストラテジー:MSTR)」は13日、10月6日から12日にかけて220 BTCを約2,720万ドル(約41億円)で追加購入したと発表した。これにより、同社のビットコイン保有総量は640,250 BTCに達し、評価額は約11兆円にのぼる。
MSTR株、ビットコイン現物ETFに劣後 “企業版ETF”の限界
今回の購入価格は1 BTCあたり約123,561ドルで、これにより同社の平均取得価格は1 BTCあたり約74,000ドルとなった。今回の購入は、優先株(STRF、STRK、STRD)のATMプログラム(株式売却枠)による収入を原資としている。
具体的な調達額は以下の通り。
- STRF:約17万株(約1,980万ドル/約30億円)
- STRK:約1.6万株(約170万ドル/約2.5億円)
- STRD:約6.9万株(約580万ドル/約8.8億円)
10月12日時点で、総額約7兆円相当の発行枠が以下のとおり残っており、今後も同様の手法でビットコインを追加購入する余力がある。
- クラスA普通株式:約159億ドル(約2.4兆円)
- STRK:約203億ドル(約3兆円)
- STRF:約17億ドル(約2,589億円)
- STRD:約41億ドル(約6,244億円)
- STRC:約42億ドル(約6,396億円)
ストラテジーによるビットコイン購入履歴をリアルタイムで追跡できる「StrategyTracker.com」によると、同社の含み益は約268億ドル(約4兆円)に達する。

なお、直近1年間を振り返ると、MSTR株の上昇率は+67.36%にとどまる一方で、ビットコイン現物に連動する上場投資信託(ETF)「IBIT」は+88.35%と、より高いパフォーマンスを記録している。MSTR株は事実上の「ビットコイン代替投資先」として注目されてきたが、この1年に限っては実際のビットコイン投資の方がリターンは大きかった。
MSTR株価の上昇率が現物ETFを下回ったのは、企業特有の希薄化リスクや財務要因に加え、投資家が「ビットコイン純投資」をETFに求めるようになったためだとみられる。MSTRへの投資は、ビットコインそのものではなく、同社の経営判断と市場戦略を伴う「企業リスク投資」である点を忘れてはならない。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=152.3円、1 BTC=17,663,192円)