ビットコインが10万5,000ドル回復、米刺激策とマクロ追い風で市場に弾み

伊藤 将史
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Highlights
  • 米国の追加刺激策や流動性拡大が追い風となり、ビットコインが10万5,000ドルまで反発し、市場の強気ムードが再燃
  • アナリストは「マクロの追い風は絶大」「テクニカル的には買い場」と指摘し、9万8,000〜10万2,000ドルを強い買い水準と見立て
  • イーサリアムではダブルボトム形成の兆候が現れ、トレンド転換への期待が浮上

週明け10日、10万5,000ドル台(約1,615万円)まで価格を回復しているビットコインについて、著名アナリストらは強気な分析を公開した。イーサリアムについても、反転の兆候が見られるとの見解が示されている。

マクロの追い風は絶大、4,000億ドル超の流動性が支え

暗号資産(仮想通貨)アナリストのSykodelic氏は10日、「我々のベストケースシナリオが展開しているようだ」とXで述べ、強気な見解を示した。

同氏は、市場が無効化ポイントの近くまで押し下げられ、投資家の恐怖を煽った後に反転したと分析。ビットコインが週足終値で50SMA(単純移動平均線)を上回り、強さを見せていると指摘した。

Sykodelic氏は、弱気センチメントが過去最高レベルに達していた一方で、「マクロの追い風は絶大だ」とコメント。トランプ大統領が発表した「(高所得者を除く)国民への2,000ドル(約31万円)配布」という景気刺激策、米政府閉鎖の終結が近いこと、QT(量的引き締め)の終了、金利低下、金融緩和を、追い風の具体例として挙げた。

この景気刺激策により「総額4,000億ドル(約61.5兆円)以上の流動性」が市場に供給されると試算。「全体的な市場は素晴らしく、マクロはさらに良く見える」とし、「反転の可能性が最も高いエリアで弱気に転じるべきではない」と強調した。

冷静さは必要だが、9万8,000ドル~10万2,000ドルは「強い買い」

一方で、暗号資産トレーダーのStockmoney Lizards氏は10日、フォロワーに対して、短期的な値動きに対して冷静な視点を持つよう促した。

同氏は、前日の価格上昇について、「気分は良いかもしれないが、価格変動は明日、出来高を伴って確認される必要がある」と指摘。FOMO(乗り遅れる恐怖)での売買を避け、冷静さを保つよう呼びかけた。

また、「明日、あなたのお気に入りのインフルエンサーが赤いローソク足を見て再び弱気に転じても、すべてのノイズを無視すべきだ」とコメント。「ビットコイン価格9万8,000ドル(約1,507万円)から10万2,000ドル(約1,569万円)の間は強い買いだ」との見解を示した。

イーサリアムはダブルボトム形成か

暗号資産アナリストのIncomeSharks氏は10日、イーサリアムのチャートについて、「サポートを切り下げた後、初めてダブルボトム(二番底)を形成した」と指摘する。

これまでの下落局面では、一度の反発のみで、さらに価格を下げる展開が続いていた。同氏は、このパターンが日曜日の価格上昇の前に発生したことに触れ、「(今後の見通しは)いくらか楽観的だ」と評価している。

ただし、「強気派はまだ(価格上昇に)追随する必要があり、(本格的な価格上昇なのかを見極めるためには)忍耐が必要だ」とも述べた。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=153.83円)

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2017年の仮想通貨ブームの頃に興味を持ち、以降Web3分野の記事の執筆をし続けているライター。特にブロックチェーンゲームとNFTに熱中しており、日々新たなプロダクトのリサーチに勤しんでいる。自著『GameFiの教科書』。
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