マックハウス(7603)、米国で仮想通貨マイニングの実証運用を開始

ヤマダケイスケ
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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

設備拡張と法人設立、長期的な運用体制も視野に

カジュアル衣類小売チェーンを展開する「Mac-House(マックハウス、証券コード:7603)」は29日、米国データセンターを活用した暗号資産(仮想通貨)マイニング事業の実証運用を開始すると発表した。この取り組みは、7日にマイニング事業を展開する「ZEROFIELD(ゼロフィールド)」と締結した協業基本規約に基づく動きであり、仮想通貨分野の本格参入に向けた次のステップとなっている。

マックハウスは企業価値の向上と収益構造の強化を目的に、衣料品事業に依存しない多角的な収益体制の構築を進めている。その一環として同社は、仮想通貨マイニング事業を中核とする新たな収益インフラの整備に着手。本事業では米国テキサス州やジョージア州、アーカンソー州といった電力コストの安い地域に最新鋭のマイニング環境を構築し、早期からの安定的な収益確保を目指す。

また同社は、本事業が「収益源の多様化」「資産形成」「成長投資の原資確保」という3層構造からなる点を強調している。具体的には、マイニングで取得したビットコイン(BTC)を準備資産として保有し、法定通貨との分散によって自社の財務安定性を強化。さらに、同社が今後立ち上げる予定の成長投資ファンドを通じて、事業ポートフォリオの多様化を図りつつ、株主価値の向上を目指す構想を示している。

今後の事業予定としては、米国内におけるパートナー企業の選定を皮切りに、マイニング実証機の稼働データの収集・分析を基にした収益性の評価などを計画している。将来的には設備の段階的な拡張や現地法人の設立を通じて、スケーラブルな資産運用体制の構築を目指すという。マイニングを起点とした安定したキャッシュフローを基盤として、長期的な企業成長を支える体制を整える意向だ。

なお、ビットコイン財務戦略も並行して推し進める同社は28日、取得予定のビットコイン総額を従来の17億円から40億円に大幅に引き上げたことを発表している。マイニングによる収益と財務戦略の「2本の柱」によって、さらなる企業価値の向上と財務体質の改善を同時に実現しようという狙いだ。

マックハウスの仮想通貨マイニング事業は、経営の中枢に位置付けられる戦略的取り組みとして進められている。衣料品販売を主軸としてきた同社の取り組みは、仮想通貨と関連を持たない企業にとっての新たなモデルとなるだろう。今後の同社の動向が仮想通貨市場にどう影響を及ぼすのか、これからの展開に投資家からの注目が集まる。

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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