ビットコイン財務戦略企業でナスダック上場のストライブ(ASST)は5日、変動利付優先株「SATAストック」のIPO価格を決定したと発表した。当初予定の125万株から75万株増額し、200万株を1株80ドルで発行。総額約1億6,000万ドル(約245億円)を調達する見込みで、11月10日に決済予定だ。
ビットコイン購入資金を調達
ストライブは調達資金について、ビットコインおよびビットコイン関連商品の購入を含む一般事業目的に充当するとした。そのほか、運転資本、収益創出資産の取得、自社株買い、債務返済などにも使用する可能性がある。
SATAストックは額面100ドルに対して変動金利で累積配当を支払う永久優先株。当初の年間配当率は12.00%で、配当は2025年12月15日から毎月15日に現金で支払われる。ストライブは単独の裁量で毎月の配当率を調整する権利を持つが、1回あたり最大25ベーシスポイントまでの引き下げなど一定の制限が設けられている。同社は発行時に、12カ月分の配当支払いに相当する準備金(1株あたり12ドル、年率12%想定)を手元資金から別口座に確保する予定だ。
償還権についても柔軟な設計となっている。ストライブはナスダック・グローバル・マーケットまたはニューヨーク証券取引所への上場後、1株110ドル以上で全株または一部を償還可能。また、発行済み株式数が当初発行総数の25%未満となった場合の全株償還権や、特定の税務事由が発生した場合の全株償還権も有する。
同社は10月27日時点で約5,957.9BTCを保有している。9月に発表したセムラー・サイエンティフィック買収完了後は、合計約1万1,000BTCを保有する見込みで、ビットコイン財務戦略企業としての存在感を高めている。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=153.124円)




