ナスダック上場の「QMMM Holdings(QMMMホールディングス)」(ティッカーコード:QMMM)は9日、暗号資産(仮想通貨)とブロックチェーンAIソリューションへの戦略的拡大を発表した。
ビットコイン、イーサリアム、ソラナに最大1億ドル投資計画
同社はビットコイン(BTC)・イーサリアム(ETH)・ソラナ(SOL)を対象に、初期目標で1億ドル規模のデジタル資産トレジャリーを構築する計画を示した。但し、これはあくまで方針表明であり、即時の取得完了を意味するものではない。
市場の反応は極端だった。同日、株価は前日終値11.27ドル(8日)から207.00ドルへ、終値ベースで+1,736.73%の上昇を記録した。日中高値は303.00ドルに達し、その後も高値圏を維持して取引を終えた。さらに、取引時間中にはボラティリティ・ポーズ(LULD)による売買一時停止が30回以上発動し、極端な値動きを示した。

QMMMは香港拠点のデジタル広告・バーチャルアバター関連企業で、CEOはブン・クワイ氏。今回の計画では、AI駆動の仮想通貨分析プラットフォームや分散型データマーケットプレイスの構築、DAO(分散型自立組織)トレジャリー支援など、自社のAI技術とWeb3を統合する青写真を掲げた。同氏は「デジタル資産の普及が加速する中で、実社会の応用と結びつける」とコメントしている。
一方で、資金手当や実装のタイムラインは未提示で、投資枠「最大1億ドル」は当面の目標値にとどまる。こうした計画段階での大型方針表明に対し、短期的な思惑買いが集中しやすいのは事実だ。その結果、急騰の末に高値圏を維持し、度重なる取引停止が示すように、値動きの不安定さには十分な注意が要る。
AI×仮想通貨の「融合」は確かに期待を掻き立てる。ただし投資家目線では、計画の実行力(資金調達・内部統制・規制順守)と、過度なボラティリティをどう制御するかが肝になる。「新たな錬金術」の発明か、それとも過熱相場の一幕か──結論は、今後の実行フェーズの開示が示すだろう。
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