韓国の大手IT企業Naver(ネイバー)が、同国最大の暗号資産(仮想通貨)取引所Upbit(アップビット)の運営企業Dunamu(ドゥナム)を来週にも買収する計画であることが明らかになった。19日、韓国のニュースメディア「ザ・コリアタイムズ」が続報として報じている。
ウォン連動型ステーブルコインの立ち上げを視野に、国内のデジタル資産利用普及を推進
複数の業界関係者によると、ネイバーは来週開催の取締役会で買収計画を確認する方向で調整しており、ドゥナム側も11月26日に取締役会を開き、計画の詳細を詰める見通しであるという。
買収の中心を担うのはネイバーのフィンテック子会社ネイバー・フィナンシャルとなっており、包括的な株式交換によってドゥナムを完全子会社化する方向で計画が進められている。関係者の話によると、ネイバーとドゥナムの株式交換比率は、1対3から1対4の範囲が有力視されているという。
また報道によると、統合後の戦略として両社はウォンに裏付けされたステーブルコインプロジェクトの立ち上げを計画していることも示されている。この計画が実現すれば、既存の国内金融システムと暗号資産市場を自然につなぐ仕組みが整うことで、国内ユーザーのデジタル資産利用を広く促せる可能性が期待できるだろう。
なお、報道ではネイバー・ファイナンシャルの資本構成についても触れられている。今回の買収により、ドゥナム会長のソン・チヒョン氏が、ネイバー・ファイナンシャルの筆頭株主になる可能性が高いと指摘。親会社であるネイバーは、ネイバー・フィナンシャルの第2位株主になるとの見通しを示している。
今回の買収計画からも、ネイバーはグローバル規模の暗号資産取引所基盤を取り込むことで、急成長するデジタル資産市場での立ち位置を確立しようという狙いがみえる。韓国における金融サービスのあり方を変える転換点になり得るこの統合が、どのような形で実現するのかが今後の注目ポイントになりそうだ。
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