この記事ではメタマスクの手数料である「ガス代」が高い原因、対処方法について解説します。
メインチェーンを補助する「レイヤー2」の登場により、ガス代負担額は低下傾向にありますが、状況によってはいつもより高いガス代の支払いが必要なシーンも…。この記事では対処方法とあわせて、ガス代調整手順もデバイス別で紹介するのでぜひ最後までご覧ください。
目次
メタマスクの手数料といえば、ネットワークを利用する際に必要な「ガス代」がメインです。手数料は常に変動しているため、時には支払い負担が大きくなることもあります。ガス代高騰の原因や対処方法は以下のとおりです。
メタマスクで手数料(ガス代)が高い原因・対処法
原因 | 対処法 |
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取引量が多い時間帯での利用 | 取引量が落ち着く時間帯を狙う |
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イーサリアムメインネットの利用 | レイヤー2ネットワークを使う |
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基軸通貨の価格高騰 | 価格が安定するのを待つ |
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ガス代設定が高め | 設定からガス代を安くする |
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その都度トークンを送信 | 送信回数を限定する |
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また、メタマスクにおける手数料の支払いは、以下のようなタイミングで必須です。
メタマスクで手数料が必要になるタイミング
- トークン(仮想通貨・NFT)を送信するとき
- 仮想通貨を別の仮想通貨にスワップするとき
- DeFiサービス等での入出金や取引を行うとき
仮に手数料が高騰している場合、保有資産が大きく目減りしてしまう可能性があります。ガス代の負担軽減を図るためにも、ぜひ以下で解説するコスト負担を抑えるための対処法を実践してみてください。
ブロックチェーン上の取引量が多い時間帯はガス代が高騰しやすいので注意です。
ガス代が高騰するメカニズム
ブロックチェーンで情報の格納を行う「ブロック」には一定量の情報しか入りません。そのため、取引量が増えることでチェーンの作業効率が低下し、高いガス代を支払って優先的に取引処理してもらおうユーザーが増えます。
高いガス代を払ってでも処理を進めたいというユーザーが多いから、自然とガス代の市場平均価格が吊り上がるんだね…。
対処方法としては、取引量が落ち着く時間帯を狙ってメタマスクを利用するのがおすすめ。市場の状況に応じても変化はありますが、日本時間の午前中から夕方や土日は比較的取引量が落ち着いています。
上記は「Etherscan」が公開してるイーサリアムメインネットのガス代チャートです。日によっても違いはありますが、UTC14時(日本時間で23時)からガス代が高騰している傾向にあります。
欧州やアメリカといったユーザーが参入してくる時間なので、なるべくこの時間帯を避けてメタマスクを利用するようにしましょう。
イーサリアムメインネットは、他のブロックチェーンに比べてもガス代が高騰しやすいので注意です。
イーサリアムメインネットのガス代が高騰しやすい理由
- ブロックチェーン自体の処理速度が遅いから
- 人気のブロックチェーンで取引量が多いから
- 基軸通貨の「ETH」の価格が高騰しているから
イーサリアムメインネットは、毎秒15件の取引しか処理できません。DeFiやNFTゲーム基盤としてメインで採用されているものの、利用ユーザーの増加に耐えきれずに処理速度の遅延・ガス代高騰を引き起こしました。
一時は仮想通貨の送金だけで、数千円のガス代を請求されることも…。
対処方法はイーサリアムの補助的なネットワーク「レイヤー2」を利用すること。レイヤー2は高速処理・低コストを実現しており、そのガス代負担は0.01円といった小数点以下の世界です。
イーサリアムの代表的なレイヤー2
- Arbitrum
- Polygon
- Optimism
- zkSync
近年はアップグレードや活動の低迷により、イーサリアムメインネットはガス代が減少傾向にあります。とはいえ、市場状況によって高騰する可能性もあるので、迷ったらレイヤー2を活用しましょう。
ブロックチェーンの基軸通貨の高騰がガス代高騰につながっているケースもあります。
基軸通貨とガス代高騰の関係性
基軸通貨の価格が高騰すれば、1通貨あたりの日本円換算での価格は上昇します。そのため、ガス代負担が同じ通貨数量であっても、実質的な金額負担が増える仕組みです。
仮に「基軸通貨の価値が上がり過ぎているな」と感じた場合は、急ぎで処理を行う必要がない限り、基軸通貨の価格安定を待つのがおすすめ。一方的に通貨が買われるケースが解消すれば、ガス代負担が軽くなる可能性があります。
必ずしも基軸通貨の高騰がガス代高騰につながるとは限りません!ブロックチェーンの混雑具合によっては、ガス代負担が軽くなるケースもあります。
メタマスクのガス代が高めに設定されている可能性も考えられます。
メタマスクで取引処理を実行する際、自身で負担するガス代を調整することが可能です。この際、誤ってガス代の設定を高めてしまったときは、普段よりガス代の負担が重くなっているケースも…。
対処方法としては、取引承認画面からガス代の設定を安く調整する方法が挙げられます。メタマスクが推奨するガス代を選ぶ方法と手動でガス代設定を進める方法の2つがあるので、詳しい手順は「自動設定」「手動設定」でそれぞれ解説します。
推奨設定は初心者向け、手動設定は上級者向けになっていますよ!
仮想通貨やNFTなどのトークン送信回数が多い場合は、気付かないうちにガス代負担が大きくなっているケースも。
トークンを送信する際は、その都度ネットワークに対してガス代の支払いが必要です。仮にガス代が高騰している状態で何度も送信を繰り返すと、トータルでのガス代コストがさらに重くのしかかります。
特にメタマスクをガンガン使っている人は要注意ですね!
対処方法としては、トークンを送信する回数を限定してガス代発生タイミングを減らすのがおすすめ。「送信は月何回まで」と決めたり、「一定額以上になったら送信」といった自分なりのルールを設定しましょう。
メタマスクを扱う上での手数料以外にも、トークン入金元での手数料にも注意してください。
仮想通貨取引所の場合は出金手数料を徴収するところがほとんどで、仮想通貨によって手数料が大きく異なります。例えば大手取引所「Bybit」の場合、主要通貨の出金手数料は以下のとおりです。
Bybitの出金手数料例
出金する仮想通貨 | 出金手数料 |
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BTC | 0.000266BTC(約2,000円) |
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ETH | 0.0015ETH(約500円) |
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XRP | 0.25XRP(約20円) |
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SOL | 0.01SOL(約180円) |
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※日本円換算は2024年9月執筆現在
特にビットコインの場合、少額での出金は手数料負けするリスクがあります。メタマスクはイーサリアム系の仮想通貨のみにしか対応していませんが、普段利用している通貨は事前に取引所で出金手数料を把握しておきましょう。
仮想通貨取引所の手数料ページのほか、実際の出金画面から手数料をチェックしてくださいね!
メタマスクはデフォルトで市場考慮して、その時点での最適なガス代を提案してくれます。この推奨設定は「低・マーケット・積極的」の3つが用意されており、デフォルトで「マーケット」設定になっています。
ガス代の推奨設定
- 低:ガス代が安い時間帯に処理を行うが、取引処理が遅延する
- マーケット:現状の市場価格で最適な処理速度・ガス代を提供する
- 積極的:混雑状況でも優先的に処理されるが、ガス代が高くなる
仮に取引処理よりもガス代の安さを優先したいという場合は、自動設定を「低」にしておくのがおすすめ。スマホアプリやパソコンから推奨設定を変更する場合は、ぜひ以下を参考に進めてください。
トークン送信時のガス代確認画面から、優先度を「低」に設定変更する手順を紹介します!
スマホアプリで推奨設定を変更する方法
(タップで開く)
STEP
ガス代の見積もりから、優先度を「低」に設定して「保存」をタップ
STEP
設定した優先度がガス代に反映されているかを確認
パソコンで推奨設定を変更する方法
(クリックで開く)
STEP
予想手数料に表示された鉛筆マークをクリック
STEP
設定した優先度がガス代に反映されているかを確認
メタマスクでは推奨設定を利用するほか、自身でガス代をカスタマイズすることも可能です。手動でガス代をカスタマイズする際、以下の3つの項目設定が必要になります。
ガス代の手動設定項目
- ガスリミット:いくらまでガスを使ってよいかの設定
- 最大優先手数料(gwei):取引処理してくれるユーザーへの手数料を設定
- 最大手数料(gwei):処理を優先させたいに設定を調整
gwei(ギガウェイ)とは、イーサリアムの最小単位「wei」の10億倍のこと。ガス代はこのgweiを単位としていますよ。
ただし、手動設定は調整を誤ると処理が遅延する、ガス代が必要以上に高まるリスクもあります。「状況に応じてガス代をカスタマイズしたい」という方は、リスクを理解したうえで設定を進めてください。
スマホアプリで推奨設定を変更する方法
(タップで開く)
STEP
ガス代の見積もりから、「高度なオプション」をタップ。
STEP
ガスリミットや最大優先手数料を設定して、「保存」をタップ
パソコンで推奨設定を変更する方法
(クリックで開く)
STEP
予想手数料に表示された鉛筆マークをクリック
STEP
ガス代編集画面から、「高度な設定」をクリック
STEP
ガスリミットや最大優先手数料を設定して、「保存」をクリック
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