ドナルド・トランプ米大統領は12日、イランとの核交渉が決裂したことを受け、ホルムズ海峡を往来するすべての船舶を即時封鎖すると宣言した。これにより米イラン間の地政学リスクが再燃。ビットコインをはじめとする暗号資産(仮想通貨)市場に売りが広がる展開となった。
21時間にわたる協議でも合意に至らず、イラン側は長期的な核放棄を拒否
封鎖宣言の引き金となったのは、J・D・バンス副大統領が同日にパキスタンの首都イスラマバードで行った記者会見だ。バンス氏は会見の中で「極めて単純な提案、最終かつ最善の案を提示した」と述べ、合意に至らなかったことを明らかにした。
最大の争点となったのは核問題だ。バンス氏は「核兵器を追求せず、迅速な開発を可能にする手段も求めないという明確な確約が必要だ」と説明したが、イラン側はその確約を示さなかったという。同氏は「これは米国よりもイランにとってはるかに悪い知らせだ」と述べ、合意なしで帰国すると明言した。
一方、イラン外務省のバガエイ報道官は同日、双方がさまざまな問題について理解に達したものの、「2、3の重要な点」でなお見解の相違が残っていると述べた。同氏は「外交に終わりはない」とし、交渉を継続する意思を示している。
核交渉決裂を受け、トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」上でホルムズ海峡を往来するすべての船舶の即時封鎖を宣言。「世界最強の米海軍が、ホルムズ海峡の往来を試みるあらゆる船舶を封鎖するプロセスに着手する」と表明した。イランに通行料を支払った船舶の拿捕や海峡に敷設された機雷の除去も命じるとし、強硬措置を次々と打ち出す展開となった。
なお、米中央軍は米東部時間13日午前10時(日本時間同日午後11時)から封鎖を開始すると発表しており、事態はさらに緊迫した局面を迎えている。
ビットコインは2,300ドル幅の急落、主要アルトコインでも売りが拡大
米イラン間での緊張が再燃したことで、暗号資産市場では売り優勢となった。ビットコインは12日、73,000ドル台から一時70,500ドル台まで下落。最終的に2,300ドル幅の下げを記録した。執筆時点では71,000ドル台まで持ち直している。

市場への打撃はビットコインにとどまらず、主要アルトコインにも押し寄せている。執筆時点の暗号資産ヒートマップによると、イーサリアムは1.53%、ソラナは0.38%、XRPは0.26%とそれぞれ下落。市場全体がリスクオフの様相を呈している。

核問題をめぐる米イランの溝が深まる中、緊張緩和の見通しは立っていない。暗号資産市場にとっても、しばらくは不安定な相場が続く可能性が考えられそうだ。
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