ナスダック上場のEightco Holdings Inc.(エイトコ・ホールディングス:OCTO)は8日、世界初となるWorldcoin(ワールドコイン:WLD)財務戦略の実施を目的とした2億5,000万ドル(約370億円)の私募増資を発表した。加えて、BitMine Immersion Technologies(ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズ:BMNR)から2,000万ドル(約30億円)の戦略投資を受けることも明らかにした。
著名アナリストが会長就任、AI時代の人間認証インフラに投資集中
今回の私募増資では、MOZAYYXが主導し、ワールド・ファンデーション、ディスカバリー・キャピタル・マネイジメント、GAMA、ファルコンX、クラーケンなどの機関投資家が参加した。
特筆すべきは、著名なテクノロジー・AI専門家でウォール街アナリストのダン・アイブス氏が新たに取締役会長に就任したことだ。同氏は「AI革命における認証と人間証明(PoH)の次のステップを記す」とコメントし、AI時代における人間認証の重要性を強調した。
ワールドコインを主要な財務準備資産として採用
同社は調達資金の純手取り金をワールドコイン取得に充て、ワールドコインを主要な財務準備資産として保有する方針を発表した。現金やイーサリアム(ETH)も二次的準備資産として保有する可能性があるが、主眼はワールドコインに置かれる。
ビットマインのトム・リー会長は「イーサリアムネットワークに価値を創造する革新的プロジェクトを支援したい。ERC-20ネイティブトークンとして、ワールドはイーサリアムと整合性を持っている」と投資理由を説明した。
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AI時代の人間証明技術として期待
ワールドは独自の虹彩スキャン技術「Orb(オーブ)」を使用し、ゼロ知識証明による人間証明システムを構築している。現在45か国以上で約1,600万件のゼロ知識人間証明アカウントを創設済みだ。
サム・アルトマン共同創設者は「我々のミッションが成功すれば、ワールドはオンライン上で最大の実在人物ネットワークとなり、インターネット上での交流と取引を根本的に変える可能性がある」と展望を語った。
取引完了は2025年9月11日頃を予定しており、同日には株式ティッカーシンボルを「ORBS」に変更する計画だ。AI時代における人間認証インフラとして、ワールドコインの財務戦略採用が注目される。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.72円)